私は、本格的な絵画制作をして20年以上経ちます。その経験で感じた事ですが、絵画制作には空間認知、特にPerspective(遠近法)に対する能力がないと難しいという事です。絵画と、漫画と制作過程で異なる点は、漫画は線で描くことに対して、絵画は面で描きます。 よく考えると、人間が見た物に線は存在しません。目で見た光や影、色彩で描いていきます。また、Perspectiveがしっかりしてないと、歪な形態になってしまいます。Perspectiveを的確に実行するには、目で見て、しっかりと空間を認知し、手元をどう動かすか判断しなければなりません。空間を認知する能力は、絵描きだけではなく、建築家やタクシーの運転手、にも必要な能力です。空間を立体的に捉えるという事です。建築家は、存在しない建築物を頭の中で立体像を描かなくてはならないし、タクシー運転手は、頭の中にある地図で、お客さんに言われた目的地までの最短ルートを考えます。方向音痴の人は空間を認知する事が苦手なのかも知れません。しかし、絵画が上手な人でも方向音痴の人が居ると思うので、全ての例で当てはまるとは限りません。因みに私は方向音痴です。3797f1cc.jpg