時代も変われば、価値観も変わります。
冷戦当時は、アメリカとソ連の緊張関係にピリピリして、誰しも漠然と、第三次世界大戦が始まり核戦争が起こるのではないかという不安感を感じていました。
世界の政治は東西冷戦が絶対的価値観として動いていました。
1989年にベルリンの壁が崩壊するまでは…。
そういった政治的な価値観だけではなく、一般市民の生活の価値観も、時代と共に変わります。

現在、新たに建てられている賃貸住宅は、RC構造でエアコン付きが常識ですが、'70年代頃までは木造2階建てのアパートが一般的で、エアコンなど当然の如く付いていませんでした。
でも、当時はそれが普通だったので、誰も文句を言いませんでした。
夏も現在ほど暑くなかったですからね。

東海道新幹線も、現在は270キロで走行していますが、開業してから約20年は210キロでしか走行していませんでした。
それでも、当時はそれが普通だったので、誰も不満を漏らしていませんでした。
今だったら、『遅い!』と文句言われそうですね。

'90年代は、携帯電話が普及し始めましたが、最初は本当に電話の機能だけで、メールはおろか、現在のような多彩な機能はついてませんでした。
でもそれも、当時は携帯電話があるだけで便利だったので、誰も文句を言いませんでした。

現代は、非常に便利に便利になり、それが当たり前になると、人間はどんどん欲張りになっていきます。
現代の価値観の物差しで、過去の価値観を語るのは、実は非常に難しいことですね。

写真は、もう現代人が、忘れかけている旧東ドイツ(ドイツ民主共和国)の国旗です。
東西ドイツは、冷戦を象徴する国でした。

DDR