Who's Last

イギリスという国の正式名称が“グレートブリテン及び北アイルランド連合王国”という長ったらしい名前であると、小学生の時に本で読んだことを今でも覚えています。
英語では、“United Kingdom of Great Britain and Ireland”となり、略してU.K.と表記されるのは、ご存知の通りかと思います。

英国からの独立の是非を問うスコットランドの住民投票が、先日18日に行われ開票されましたが、報道の通り独立には至りませんでした。
私は15日頃から、反独立派の投票が上回るのではないかと考えていました。
それは、下記の2点からです。

1.ポンドもユーロも使用出来ないなど、通貨が設定されていないこと。
2.スコットランドに本社がある多くの企業が、独立の場合はロンドンに本社機能を移転させると表明していたこと。

恐らく通貨の問題があるので、本社機能をロンドンに移転させると企業の経営陣は考えていたのでしょう。
そうなると、本当にスコットランドが独立してしまったら、多くの方が職を失うことになっていたことでしょう。
住民投票の結果は、10年〜20年後の問題ではなく、『明日の生活』を優先させたからだと思われます。

このような住民投票に至ったのは、穿った見方ですが、サッチャーを輩出した保守党キャメロン首相だったからではないでしょうか?
サッチャー政権当時、スコットランドにある多くの鉱山を閉山に追い込み、多くの失業者を生み出しました。
キャメロン首相は2010年に、約10年続いた労働党政権から保守党政権に変わり首相となりました。
今でも保守党サッチャー政権に恨みを持ち続けているスコットランド人は多いのではないでしょうか?
私は、『もし現在の英国の政権が労働党であったら、独立運動は起こらなかったのではないか?』と思ってしまいます。
これは私個人の独断と偏見による考察なので間違っていたらごめんなさいです。

でも、私個人的にはこの住民投票は評価しています。
さすが、民主主義先進国であるイギリスであると思いました。
国によっては内戦になってもおかしくもないと思いますからね。

所で、もしスコットランドが本当に独立に至ったならば、『グレートブリテン及び北アイルランド連合王国』という国名はどうなったのでしょうか?
『イングランド及びウェールズ及び北アイルランド連合王国』という、ややこしい国名になっていたかも知れませんね。
国旗もユニオンジャックがなくなるのではないかと危惧されていましたからね。
上の写真はユニオンジャックをモチーフにしたThe Whoのアルバム、“Who's Last”です。

Who's Last
Who
Mca
1999-03-20