A Head Full of Dreams

2000年にデビューしたコールドプレイ。
その当時、私は正直、コールドプレイのことを快く思っていませんでした。
『またレディオヘッドのモノマネしたバンドが出て来たか』という程度の認識です。
ファースト・アルバムの"Parachutes"も非常に退屈だと思っていました。
コールドプレイを聴く位だったら、本物のレディオヘッドを聴いた方が数倍マシだと思っていました。

この2000年当時のUKロック・シーンも暗黒の時代でした。
ブリット・ポップのブームも過ぎ去り、オアシスやレディオヘッドを軟弱に物真似したようなバンドが雨後の筍のように出現しました。
ロックとは名ばかりで、ソフトでテンポが遅いギター・ポップのバンドばかり出現した時代です。
コールドプレイも、そんなバンドの1つと考えていました。

しかし、たまに聴くと何か『存在感が気になるバンド』だったので、好きではないと思いながらもアルバムをリリースする度に購入していました。
しかし、2008年の4枚目のアルバム、"Viva la Vida or Death and All His Friends"で、ひょっとしたら凄いバンドなのではないかと思うようになりました。
その年にはライブにも行きました。
メンバー全員から滲み出る知性と、クリス・マーティンのスター性を感じました。

12月4日にリリースされたばかりのコールドプレイのアルバム、"A Head Full of Dreams"を聴きました。
毎日365日ロックを聴き続けている私の耳でも、一聴して、非の打ちどころがない傑作であると感じられました。
しかも、昨年アルバムをリリースしたばかりなのに、2年連続のアルバムリリースです。
豪華なゲスト・ミュージシャンにアートワークも私好みです。
完璧すぎて、もう少し手を抜いて脱力な部分もあった方が良いのではないかと思ってしまう程です。
内容的には、いつものコールドプレイのアルバムよりもロック色が強い所も好感が持てました。

A Head Full of Dreams
Coldplay
Atlantic
2015-12-04