リリース当時は気に入らなくても、後年になってから気に入るアルバムはあるものです。
'00にリリースされたポール・ウェラーの"Heliocentric"も、そんなアルバムの1枚です。
リリース当時の私ときましたら、一聴してがっかりして、しばらく聴く気になれませんでした。
ジャケットのアートワークも無造作だったことも、がっかりでした。
しかし、現在聴きますと、素晴らしくアートなアルバムであることを認識させられました。
アルバム全編に渡り、サイケ調なエフェクトを効かせたエレクトリックギターのサウンドと、ストリングスが鳴り響いています。
恐らく、リリース当時の私は、ギンギンにロックなアルバムでなかったからだと思います。
アルバムのコンセプトは、'60年代後半のサイケな時代のアルバムを再現したかったのだと、理解出来ました。
リリースは、2000年なので、レコーディングはMacを通してPro Toolsでレコーディングしたのでしょう。
デジタルなレコーディングの時代に、あえてサイケなギター・ロックのアルバムをレコーディングしたかったのでしょう。
そういった視線で見ますと、アルバムのアートワークも、ロゴの字体などで'60年代後半のアルバムに見えて来るの不思議です。
リリースから17年の月日が経って、ストリーミングの時代になりましたが、このアルバムはアルバム全曲をダウンロードして、聴いてみるべきアルバムなのだと思います。