Live In Hyde Park

ドラマーのキース・ムーンと、ベーシストのジョン・エントウィッスルの亡き後、ロック・レジェンドとなったThe Whoのライブには、欠かせないメンバーがいます。
それは、ドラマーのザック・スターキーとベーシストの存在です。

もともと、The Whoの演奏はキース・ムーンとジョン・エントウィッスルのプレイが評判のバンドでした。
The Whoのライブはキース・ムーンがリード・ドラマーで、ジョン・エントウィッスルがリード・ベーシストという通常のロックバンドとは違う魅力があるバンドでした。
しかも、ギターのピート・タウンゼントは、リード・ギタリストで、ボーカリストのロジャー・ダルトリーはリード・ボーカリストという具合に、バンドの全員がライブの主導権を握とうと喧嘩をしているかのような演奏がライブが素晴らしかったのです。
こちらの動画が、全盛期のオリジナルメンバーによる"Baba O'Riley"の演奏です。

しかし、今はキース・ムーンとジョン・エントウィッスルも居ません。
The Whoのリズム隊を支えているのは、ザック・スターキーとピノパラディーノです。

ザック・スターキーのドラムの魅力は、時に父親のリンゴ・スターの遺伝子を感じるドラムサウンドと、ドラムをレクチャーしたキース・ムーンの影響を多大に受けていることです。
後期のオアシスの2枚のアルバムの完成度は、ザック・スターキーのドラムの貢献が大きいと思います。

ピノ・パラディーノのベースの魅力は、美しいベース・サウンドに尽きると思います。
'80年代は、スタジオ・ミュージシャンとして注目され、ロック・マニアからは、ジョン・メイヤー・トリオのベーシストとしても知られています。
ジョン・エントウィッスルのような、"リード・ベーシスト"という派手さはないですが、その美しくてメロディアスなベースで、独自のグルーヴを生み出す名ベーシストです。

そんなザック・スターキーとピノ・パラディーノが生み出すリズムは、ザックのラウドなドラムを下支えしてピノ・パラディーノはグルーヴィーに弾くことに専念しています。
そして、その2人がライブで披露した" Baba O'Riley"です。