フォークルさよならコンサート

夜寝る時に聴くBGMは結構頻繁に変わりますが、最近はこの『フォークルさよならコンサート』のCDです。
これは一言で言うと、豪華な音です。
アコースティックなフォーク・クルセダーズとオーケストラが共演していて、大変耳に心地良いです。
フォークルさよならコンサート


また、1968年のライブの録音であるにもかかわらず、録音の状態が良く、当時の東芝の技術者達が世界的な高水準であった事が伺えます。

最初の3曲は、オーケストラをバックにはしだのりひこ、北山修、加藤和彦の順番でメインボーカルを披露していきます。
それがまた、全員歌が上手いんですよね。
これをライブで歌っていたとしたら驚愕です。
フォークルさよならコンサート


興味深いのは、はしだのりひこさんが、自分のバンドであるシューベルツを組み当時未発表の『風』を演奏している事です。
現在CDで一般に聴けるシングルバージョンの『風』は、70年代歌謡曲のような大げさなアレンジですが、シューベルツだけのシンプルな演奏の方が曲の良さが引き出せています。

若き日の加藤和彦さんの声も、今と同じほのぼのした味がある声をしています。
ギターの音色も、今でも聴ける彼らしいタッチです。加藤和彦さんはジャックスの『時計を止めて』をカバーしていますが、その選曲のセンスの良さに脱帽です。
なぜなら、現在では名曲の誉れが高いこの曲も、ジャックス自身がリリースして1年未満のリアルタイムのカバーだからです。

フォーク・クルセダーズの3人が解散した1968年10月7日の『さよならコンサート』の時点では誰も分からなかった事ですが、加藤和彦さんはサディスティック・ミカ・バンドで世界的なミュージシャンになり、はしだのりひこさんは、ヒット曲を連発するヒットメーカーとなり、北山修さんは精神分析の大家として大学教授となります。

『タイムマシンにお願い』ではないですが、聴いているとついつい、彼らに未来の自分達の姿をタイムマシンで教えたくなってしまいます。

※この記事は投稿当時の原文を損なわない程度に、2023年5月2日に編集致しました。

フォークルさよならコンサート(紙ジャケット仕様)
ザ・フォーク・クルセダーズ
EMI MUSIC JAPAN(TO)(M)
2008-10-22