★絵描きの日記

加茂谷正俊のブログです。 絵画を中心に美術やっています。 公募展出展、グループ展や個展などもします。 2010年、2014年、2018年、2022年、富山国際現代美術展に参加。

ザフー

"Who"は2019年という時代を反映したロックアルバムだと思います

The Who

12月7日、The Whoのニューアルバム、"Who"がリリースされました。
The Whoの新しいアルバムがレコーディングされるのかどうか、ボーカリストのロジャー・ダルトリーであっても予想が付きません。
ソングライターでギタリストのピート・タウンゼントが、新曲を書かないと、事が進まないからです。

2006年にリリースされた前アルバム、"Endless Wire"から13年間の間にロジャーは、70歳を過ぎてから、どんどんアーティスト性を高めました。
ウィルコ・ジョンソンとコラボレーションした2014年の"Going Back Home"はUK3位という記録を収め、2018年にリリースしたソロアルバム、"As Long as I Have You"はUK8位に達しました。
そのようなロジャーの活動を見て、ピートは少なからず触発は受けているかと思われます。

"Who"ですが、バンドの相棒のロジャーであっても、予想が付かないピートの創作活動の中で突如、The Whoのアルバム用に曲を大量に書いて来たことでレコーディングが進みました
事前にアルバムのリリース前に、既に冒頭の3曲がリリース済みだったので、私の中にすんなりと入って来ました。

前アルバム、"Endless Wire"にと比べて大きく違いますのは、ドラムのザック・スターキーがドラムを叩いている曲が多いことです。
("Endless Wire"の頃は、ザックはオアシスの活動にかかり切りで、1曲しか参加せず)
なので、いつものツアーのメンバーであるザック・スターキーと、ベースのピノ・パラディーノのグルーヴを堪能出来ることです。
これまでライブ盤で聴いていたグルーヴが、スタジオ盤でクリアに聴くことが出来ます。

そして、アルバムの特徴としましては、ソングライター・ギタリストのピート・タウンゼントの曲が粒ぞろいであることです。
ピートが得意とするロック・オペラな曲は、1曲もなく、どの曲もシャッフルで再生したとしても『完成型』であることです。
それは、ストリーミング配信を念頭においたことかと思われます。

近年アーティスティックな活動をするロジャーのボーカルは、まるで黒人ブルース・シンガーがような渋い声を出したり、曲によっては年齢を感じさせない高いキーで歌っていたりと、しなやかなボーカルを披露しています。

総括致しますと、"Who"は2019年という時代を反映したロックアルバムだと思います。
決して、過去の”懐かしい芸風”を再現せず、現代のThe Whoのツアー・メンバーのサウンドを披露し、時代を反映したピートが書いたLylicsも刺激的です。
そして、当世風の凝ったサウンド・メイキングも特筆すべきことだと思います。




ソングライター、ピート・タウンゼントの率直な主張

The Who

The Who の新曲、"All This Music Must Fade" の配信が始まりました。
この"All This Music Must Fade"の魅力は、ロジャーのボーカルに対するピートのコーラスの掛け合いかと思います。
そして炸裂するピートのギターも魅力で、これぞThe Whoの曲といった感想です。

Lylicsは盗作されたとばかりに、騒動を起こすアーティストへの皮肉となっています。
確かに、1オクターブ当り12音階しかない制約の中で、作曲家達は日々、新曲に取り組んでいます。
作曲家が知らないうちに、他の曲と似た曲が出来てしまっても、やむを得ないのかも知れません。

希代な才能を持つソングライター、ピート・タウンゼントの率直な主張なのかと思います。

ここ数年はヒップホップが全盛の時代ですが、ヒップホップの場合は、"似ている"疑惑は避けられるかも知れません。
もっとも、ヒップホップもバックで鳴っているブレイクビーツが、誰かと似てしまう危険性はありますがね。



WHO
The Who
Interscope Records
2019-12-06

The Whoを世界的な大スターに変えたウッドストック・フェスティバル

Woodstock

1969年という年は、The Whoにとって重要な1年となりました。

まず、その第一弾は、1969年3月7日にリリースされたシングル、"Pinball Wizard"は、UK4位を記録しました。
しかし、それはまだ序章に過ぎませんでした。

"Pinball Wizard"を収録したロック・オペラのアルバム、"Tommy"は3月17日にリリースされ、UK2位とUS4位という、これまでのThe Whoのキャリアで最もヒットしたアルバムとなりました。
セールスだけでなく、評論家筋から大絶賛を受けました。

そして、同年8月に開催されたウッドストック・フェスティバルに出演しました。
The Whoは2日目の8月16日の出演でしたが、予定が大幅に遅れ、8月17日の未明になりました。
ウッドストックがあるニューヨーク州と日本は、時差が13時間なので、日本時間では昭和44年8月17日の昼過ぎから夕方であるかと思われます。

会場で、The Whoはロック・オペラ"Tommy"を演奏し、最後はギタリスト&ソングライターのピート・タウンゼントがギターをステージ床に叩き付け、フィードバック・ノイズの嵐の中で演奏を終えました。

ライブが終えたと同時に、偶然にも朝日が登り、結果的に感動的なステージとなりました。
そんな、ウッドストック・フェスティバルのThe Whoのライブは、伝説となっています。
40万人が押し寄せた、ウッドストック・フェスティバルで、The Whoは、一躍スターとなりました。

それだけでは収まらず、映画『ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間』が1970年3月に公開され、世界中で上映。
そのパフォーマンスで、The Whoは世界的な大スターとなりました。

The Whoのメンバーは、巨万の富を得ましたが、最も富みを得たであろうソングライターのピート・タウンゼントは、プレッシャーを感じてしまったようです。

無理もありません。
それまで、英国や欧州でシングルを中心にヒットを飛ばしていたThe Whoが、その存在すら知らない、世界中の田舎町の映画館でも、突如としてスターになったのですからね。

インターネットがない時代で、わずか1年で世界的大スターになってしまいましたら、その困惑も理解出来そうです。

下の動画は、映画『ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間』のものですが、一部情報では、モニターの機能が駄目になり、自身の演奏も把握出来なかったと伝えられています。
逆に、そのような環境でも名演を出来たThe Whoの演奏力に感嘆してしまいます。



ディレクターズカット ウッドストック 愛と平和と音楽の3日間 [DVD]
ドキュメンタリー映画
ワーナー・ホーム・ビデオ
2011-07-20

ライバルに負けずに爆音! The Who"ライヴ・アット・フィルモア・イースト"の感想

Live at The Fillmore East

リリースしてから、少々遅れましたが、The Whoの"Live at The Fillmore East"を聴いた感想について綴りました。
もちろん、現品はAmazonで予約して、当日に入手して聴きましたよ。
ファンとして、それは当然の行為です。

しかし、実はこの音源、かなり前に私は聴いていたのです。
もちろん、ブートッレッグですが…。

Live at The Fillmore East

上の写真は、そのブートレッグのジャケットです。
昔、私はThe Whoのブートレッグを買い漁っていたのですが、音質の悪さと、何よりもバンドに対しての申し訳なさで、ある時期で、購入することを止めました。

まぁ、前置きはそこまでにしておきましょう。
今回の"Live at The Fillmore East"は、当然ながらブートレッグと内容は一緒ですが、何よりも、その音質の高さに尽きます。
試しに聴き比べましたが、ブートレッグは聴くに耐えない音質でした。

今回のテープの修復、リミックスとリマスターは、デジタルの時代だからこそ、可能になったことだと思います。

The Whoの演奏は、1968年という時代を意識した工夫が、なされています。
1964年にバンドが登場した時代から、爆音演奏が自慢であったThe Whoです。
しかしながら、1968年にはクリームやジェフ・ベック・グループ、ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンスなど、ハードな演奏とインプロビゼーションを取り入れたハード・ロックの時代に突入して行きました。

それを意識してか、エディ・コクランのハードなカヴァーを、"Summertime Blues"、"My Way"、"C’mon Everybody"と3曲も取り入れています。
そして、彼らの代表作である "My Generation"は、インプロビゼーションを取り入れた長尺演奏になっています。

これは、私個人の憶測ですが、強烈なライバル達の出現で、この時代のThe Whoは神経を擦り減らしていたことでしょう。
ハードロックの時代になった1968年には、連日の爆音演奏に疲れ切ってしまったヤードバーズが、解散してしまったという実例もあります。

特にThe Whoとジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンスは、"トラック・レコード"という同じレーベルに所属していて、対バンを組まされることが多かったのです。

実際に、The Whoのギタリストでソングライターのピート・タウンゼントは、インタビューで『ジミ・ヘンドリクスみたいな天才と、共演させられるなんて勘弁して欲しかった』と語っています。

爆音ライブが自慢だったThe Whoが、より爆音な演奏をする後進のバンドに追い上げられる時代に、"Live at The Fillmore East"では、負けずに食らえ付いている状況を、ひしひしと感じました。

LIVE AT THE FILLMORE
WHO
POLYD
2018-04-27

フーマニア

毎回、このブログをチェックしている方はご存知だと思いますが、私はイギリスのロックバンドThe Whoのマニアです。
当然のことながら、CDは1曲残らず全て所有しています。
ボックスセットも2種類、計2箱持っています。

人に、『この曲はどのアルバムに入ってるの?』とか聞かれても、『その曲はこのアルバムの何曲目入っていますよ』と即答できます。
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初期の頃のアルバムはアルバム1枚につき4枚は持っています。
例えば、アナログのイギリス盤とドイツ盤にCDの日本盤とUS盤といった具合です。同じアルバムでも、収録曲が違っていたり、音質も微妙に違います。

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珍品としては『トミー』というアルバムの昭和44年の日本盤初回プレスを所有しています。
これは高かったです。
もはや誰もついて来れないマニアの深い沼に、はまり込んでいます。
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写真は全部アナログ盤です。CDではありません。

※この記事は2017年12月3日に、投稿当時の原文を損なわない程度に編集致しました。
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2019年

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