Piper at the Gates of Dawn












28日はGWというのに、あまり外出せず、マンションでひたすらロックのCDを聴いていました。
なぜかこの日は、無性にピンク・フロイド(Pink Floyd)が聴きたくてピンク・フロイドばかり聴いていました。

ピンク・フロイドというバンドを、知らない方に説明すると、'60年代の初期はサイケデリックなバンドとして活動して、'70年代には高度な芸術性を持つ“プログレッシブ・ロック”の代表的なバンドとなり、大ヒットするアルバムを連発し、徐々にモンスター級の大規模なライブを敢行するバンドとなるも、’80年代に入るとメンバー内の不和によって空中分解に至るバンドです。
簡単に説明すると、上記の一文になりますが、そのタイムスパンは、実に20年以上に渡ります。
その間にバンドの顔は、シド・バレットからロジャー・ウォターズ、デイヴィッド・ギルモアと変わって行きます。
サイケデリックなバンドの時代はシド・バレット、プログレッシブ・ロックの時代はロジャー・ウォターズとなり、バンドの不和の末の末期の頃はデイヴィッド・ギルモアがバンドの顔となっていきます。

この、シド・バレット、ロジャー・ウォターズ、デイヴィッド・ギルモアの3人は全員超人的な才能を持っていますが、私は専らシド・バレットの時代が好きです。
なぜなら、私は演奏の技巧よりソング・ライティングのセンスを重視する傾向で、この3人の中でシド・バレットが、個人的にソングライティングのセンスが良いと感じるからです。
ピンク・フロイドのアルバムで、シド・バレットの曲を堪能できるのは、彼らのファーストアルバム、“夜明けの口笛吹き(Piper at the Gates of Dawn)”の1枚のみですが、私はこのアルバムを、こよなく愛しています。
上の写真は、“夜明けの口笛吹き(Piper at the Gates of Dawn)”です。

ピンク・フロイドのファンは、なぜか妙なこだわりがある方々が多いのですが、そんなピンク・フロイドのファンに、『シド・バレットの曲が、一番好きだ』と言うと、非難の集中砲火に遭います。
その理由は、『一枚しかないから』ということと、シド・バレットが精神障害を病んでバンドを去ったという理由が一般的です。
『一枚しかない』という理由に反論すると、それを言ったらセックス・ピストルズだって一枚しか出してないけど、世界を変えた例だと思うのです。
シド・バレットが精神障害を患い、バンドを去ってしまうことに対しては、そんな事を口に出して言う方が倫理上に問題があると思うのです。

ピンク・フロイドのファースト、“夜明けの口笛吹き”を今聴いても、そのキラキラした曲と音色に目眩を感じてしまう程です。
そして忘れてはいけないのは、後年発表したシド・バレットが精神障害を患って変わり果てた姿でバンドを去ったことを悲しむ歌、“ Shine On You Crazy Diamond”が、ピンク・フロイドの重要な名曲になったことです。
その、ピンク・フロイドのメンバー達の旧友、シド・バレットを思いやる気持ちが分からなければ、ピンク・フロイドのファンとして失格だと思います。

この日は、ピンク・フロイドのアルバムを立て続きに聴きましたが、“ Shine On You Crazy Diamond”で、シド・バレットという若きの日の友を失ったピンク・フロイドの悲しみの歌声に感動しました。

夜明けの口笛吹き
夜明けの口笛吹き [CD]