★絵描きの日記

加茂谷正俊のブログです。 絵画を中心に美術やっています。 公募展出展、グループ展や個展などもします。 2010年、2014年、2018年、2022年、富山国際現代美術展に参加。

ピートタウンゼント

ソングライター、ピート・タウンゼントの率直な主張

The Who

The Who の新曲、"All This Music Must Fade" の配信が始まりました。
この"All This Music Must Fade"の魅力は、ロジャーのボーカルに対するピートのコーラスの掛け合いかと思います。
そして炸裂するピートのギターも魅力で、これぞThe Whoの曲といった感想です。

Lylicsは盗作されたとばかりに、騒動を起こすアーティストへの皮肉となっています。
確かに、1オクターブ当り12音階しかない制約の中で、作曲家達は日々、新曲に取り組んでいます。
作曲家が知らないうちに、他の曲と似た曲が出来てしまっても、やむを得ないのかも知れません。

希代な才能を持つソングライター、ピート・タウンゼントの率直な主張なのかと思います。

ここ数年はヒップホップが全盛の時代ですが、ヒップホップの場合は、"似ている"疑惑は避けられるかも知れません。
もっとも、ヒップホップもバックで鳴っているブレイクビーツが、誰かと似てしまう危険性はありますがね。



WHO
The Who
Interscope Records
2019-12-06

The Whoを世界的な大スターに変えたウッドストック・フェスティバル

Woodstock

1969年という年は、The Whoにとって重要な1年となりました。

まず、その第一弾は、1969年3月7日にリリースされたシングル、"Pinball Wizard"は、UK4位を記録しました。
しかし、それはまだ序章に過ぎませんでした。

"Pinball Wizard"を収録したロック・オペラのアルバム、"Tommy"は3月17日にリリースされ、UK2位とUS4位という、これまでのThe Whoのキャリアで最もヒットしたアルバムとなりました。
セールスだけでなく、評論家筋から大絶賛を受けました。

そして、同年8月に開催されたウッドストック・フェスティバルに出演しました。
The Whoは2日目の8月16日の出演でしたが、予定が大幅に遅れ、8月17日の未明になりました。
ウッドストックがあるニューヨーク州と日本は、時差が13時間なので、日本時間では昭和44年8月17日の昼過ぎから夕方であるかと思われます。

会場で、The Whoはロック・オペラ"Tommy"を演奏し、最後はギタリスト&ソングライターのピート・タウンゼントがギターをステージ床に叩き付け、フィードバック・ノイズの嵐の中で演奏を終えました。

ライブが終えたと同時に、偶然にも朝日が登り、結果的に感動的なステージとなりました。
そんな、ウッドストック・フェスティバルのThe Whoのライブは、伝説となっています。
40万人が押し寄せた、ウッドストック・フェスティバルで、The Whoは、一躍スターとなりました。

それだけでは収まらず、映画『ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間』が1970年3月に公開され、世界中で上映。
そのパフォーマンスで、The Whoは世界的な大スターとなりました。

The Whoのメンバーは、巨万の富を得ましたが、最も富みを得たであろうソングライターのピート・タウンゼントは、プレッシャーを感じてしまったようです。

無理もありません。
それまで、英国や欧州でシングルを中心にヒットを飛ばしていたThe Whoが、その存在すら知らない、世界中の田舎町の映画館でも、突如としてスターになったのですからね。

インターネットがない時代で、わずか1年で世界的大スターになってしまいましたら、その困惑も理解出来そうです。

下の動画は、映画『ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間』のものですが、一部情報では、モニターの機能が駄目になり、自身の演奏も把握出来なかったと伝えられています。
逆に、そのような環境でも名演を出来たThe Whoの演奏力に感嘆してしまいます。



ディレクターズカット ウッドストック 愛と平和と音楽の3日間 [DVD]
ドキュメンタリー映画
ワーナー・ホーム・ビデオ
2011-07-20

Pictures Of Lily

邦題『リリーの面影』と題されたザ・フーの1967年の曲です。
Pictures Of Lilyは曲調やボーカルの声色は甘い感じですが、バックで流れるバンドの音はヘビーです。
その落差が、この曲の良い所で、凡庸なポップスに陥らずに済んでいます。
歌詞は男の子の自慰行為について歌っており、それもまたこのバンドの特色が出ていると思います。

ザ・フーというバンドは『思春期の少年』を描くことに長けたバンドで男の子達に絶大なる支持を受けていますが、女の子達の人気はサッパリというバンドです。
確かに女の子が、男の子の自慰行為の歌を聴いた所で、共感を得ることはありません。

1967年という年は、ロックやファッションにとって変革の年で、愛と平和を謳ったフラワームーブメントと呼ばれる流行がありました。
その『愛と平和』の時代にその歌詞の内容は異彩を放っています。

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バンドのソングライターであるピート・タウンゼントは、そんな世の中の潮流を分かった上でこの曲をレコーディングしている確信犯です。
曲やサウンドの雰囲気そのものは、フラワームーブメントの影響がみられますが、歌詞で他のバンドと差をつけています。

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この2年後に、ザ・フーはビートルズやローリング・ストーンズをもしのぐような巨大なスタジアム級のバンドに成長していきます。
この曲は後の大成功を予感させるような、ただ者ではオーラが漂う曲であると思います。
気まぐれギャラリー
『シャキーンとした猫』
2019年

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