I Dig Everything

最近、何かと忙しいです。
このブログも1日も欠かさず書き続けている事は奇跡に近い状態です。
辛い日もありますが、根性で続けてみようと思います。
(私のファッションからは根性という言葉は想像しにくいと思いますが…)

今日は、根性に因んだシンガーを紹介しましょう。
その人はデビッド・ボウイです。
この方もそのルックスから根性という言葉からは縁遠いように感じます。

何で根性あるのかと言いますと、最初にレコード会社からデビューしてから、ブレイクするまで6〜7年もかかっているからです。
19歳の少年が、25歳になっているのだから大したものです。
もちろん、その間にレコード会社から首を切られたり、やっと売れたシングルも一発屋になりかけたりしました。
まるで演歌歌手のような涙ぐましいキャリアです。
普通であればロックシンガーを諦めて堅い職業についているかもしれません。

彼の代表作、『ジギー・スターダスト』は宇宙人が地球に舞い降りて、ロックスターになるものの、最後はロックの自殺者になってしまうというストーリーです。
これは、まるでロック・シーンに対する痛烈な皮肉のようです。
こういった、どこか厭世的な皮肉は自分が売れない時代に受けた仕打ちを茶化しているようにも見えます。

また、デビッド・ボウイの特筆すべき才能は、全く違った音楽性に変化させると同時にそのビジュアルイメージを変化させる事が出来ます。
それも、無名時代にレコード会社から『○○みたいに成れ』『次は〜のように』とその時に売れているスターと同じ音楽とルックスになることを強要されていた事で学び取ったことと思われます。

ジギー・スターダストで宇宙人になったボウイは、その3年後には昔のジャズミュージシャンのようなスーツを着てソウルを歌い始めます。
さらにその2年後には、ラフな服装で電子音楽を始めます。
その目まぐるしい変化は、同時代であったら誰もついて来れなかったでしょう。

何より凄いのは、同世代のミュージシャン達の作品量が減って行く中で、コンスタントに、そこそこのレベルのアルバムを出し続けていることです。

※この記事は2016年1月11日に、投稿当時の文章を損なわない程度に編集致しました。
※2016年1月10日にデビッド・ボウイ氏は、他界致しました。
ご冥福を、祈ります。

モッド・デイズ : 1966 パイ・シングルズ
デヴィッド・ボウイ
ビクターエンタテインメント
1999-09-22