★絵描きの日記

加茂谷正俊のブログです。 絵画を中心に美術やっています。 公募展出展、グループ展や個展などもします。 2010年、2014年、2018年、2022年、富山国際現代美術展に参加。

ロシア・アヴァンギャルド

愛すべきピロスマニ

25568c9e.jpg











渋谷のBunkamuraで開催中の『青春のロシア・アヴァンギャルド』で、取り上げられたアーティストで、印象に残ったのはピロスマニです。
私も放浪の画家になりかけていますが、ピロスマニは、正真正銘の放浪の画家です。

グルジアで、住居を持たずに放浪し、看板やや壁面、油絵の注文を受けて、描ける所が住みかとなりました。
『青春のロシア・アヴァンギャルド』展で、私が気に入ったのは、この写真の、『雌鹿』です。
これは、ほとんどバンビですね。この絵を観て分かる通り、動物の表現が秀逸であったことが分かります。
また、その絵は独学のためか、デッサンに狂いがあるようですが、そこにまた味わいがあります。
要は描く人の気合い、気迫の問題のような気がします。日本の美術教育が、デッサン力を付けることに主眼が置かれているのに、ピロスマニのような芸術家を排出出来ないのは、何か構造的欠陥があるのではないかと思ってしまいます。

その人生は、映画『ピロスマニ』で描かれたり、加藤登紀子さんが歌った『百万本のバラ』の歌のモデルになるなど、多くの人から愛されています。

青春のロシア・アヴァンギャルド

 渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催中の『青春のロシア・アヴァンギャルド』に行って来ました。この展覧会は、個人的に楽しみにしていた展覧会です。あまり知られていませんが、ロシアは革命前後の時代(1910年頃〜1934年)は前衛芸術の最先端を走っていました。1934年にスターリンによって粛正が実行されるまで約20年間、そんな時代が続きました。この時代のロシア・アヴァンギャルドが再評価されたのは、近年ロシアがBRICsとして経済発展を成し遂げてからです。それ以前は、一部の愛好家や美術評論家ぐらいしか認知されておらず、唯一シャガールだけがアメリカに亡命した事と、長生きしたおかげで知られているぐらいでした。マレーヴィチに至っては、ソビエト連邦の時代は封印され非公開にされていました。今回の展覧会は、モスクワ市近代美術館所属の、そんな時代の、最先端の作品を一同に集めて展示されています。     この展覧会で圧巻だったのは、マレーヴィチの作品群です。マレーヴィチだけでなく、ロシアの作家は、独特の感性を持っていて、どこか宇宙的、近未来来的で数十年後のソ連の宇宙開発を連想してしまいます。写真の展覧会のポスターになった作品も、マレーヴィチの『農婦、スーパーナチュラリズム』という作品です。農婦という労働者を題材にしている所が、ロシア人らしさを感じます。この作品の他にも、マレーヴィチは彼独自のシュプレマティスムという、十文字や無地のような無駄を省いた究極の抽象画が展示されてます。この、マレーヴィチのシュプレマティスム絵画の何とエネルギッシュなことでしょうか!
 『青春のロシア・アヴァンギャルド』は、8月17日まで、渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催中です。cb1196e3.jpg
気まぐれギャラリー
『シャキーンとした猫』
2019年

ギャラリー用
Archives
  • ライブドアブログ