22日は、日本中が皆既日食で沸き返りました。
一番長く皆既日食が見られるトカラ列島は、あいにくの天気となり、30万円ものツアー料金を払って見に行った方が、気の毒でしたが…。
日本で皆既日食が見られるのは、何と46年振りだということです。
46年前というと、1963年(昭和38年)です。
前回46年前の映像は、かなり年代がかっていて、実況しているアナウンサーも現在と違って、朗々としたイントネーションです。
なぜ昔のアナウンサーは、みな朗々としたアナウンスなんでしょうかね?
こんな風に、46年という月日は、大衆のあらゆる感覚を変化させてしまいます。

1963年は、どんな時代だったかというと、ケネディ大統領の暗殺事件が起こったり、 関西電力の黒部川第四発電所が完成したり、アニメの鉄腕アトムの放送が始まった年であるということです。
イギリスでは、ビートルズがヒット曲を飛ばし始めた年ですね。
ちょうど、第二次世界大戦が終戦してから20年近く経ち、日本や欧米が豊かになり始めた頃です。

その一方、まだ新幹線も開通していない時代です。
カラーテレビも普及してませんし、携帯電話やパソコンなんて考えつかない時代でしょう。
また注目すべき事実は、この時代には19世紀に生まれた方が存命していたという事です。
何とこの時代では、100歳くらいの長寿の方は、江戸時代末生まれだったという事実です。
昭和もまだ38年だったので、当時の管理職は明治時代後半から大正時代生まれの方がなっていた計算になります。
当時50代〜60代の管理職だった方は、戦前から戦時、終戦直後の波乱時代を生き抜いたのです。
豊かで現代的な生活が堪能できたのは、50歳を過ぎてからということになります。
存命していれば、今この世代の方が90代から100歳くらいになっている計算です。

現代の日本人は、やたらに不全感を訴えますが、昔の日本人が、ろくに学校に行かせてもらえずに丁稚奉公に行かせられたり、徴兵されて死の危険に直面したり、街が空襲で焼け野原になったりするよりはずっと幸福なような気がします。