★絵描きの日記

加茂谷正俊のブログです。 絵画を中心に美術やっています。 公募展出展、グループ展や個展などもします。 2010年、2014年、2018年、2022年、富山国際現代美術展に参加。

日本画

おすましdoll・解説

おすましdollのモチーフはフランス人形です。
もちろん、実物のフランス人形の髪の毛の色は、栗色ですよ。
髪の毛などの色は私のアレンジです。
作品は今年の夏に完成しました。
この色彩を見て驚かれると思いますが、100%、日本画の画材を使用しています。
おおざっぱに分けると、蛍光色の髪の毛は、泥絵具という画材で、白い肌は胡粉が使われています。
洋服の部分は雲母という岩絵具が使用されています。
顔の雰囲気にぎょっとすると思いますが、元から人形なので悪しからず。
“おすましdoll”という題名は、表情がどこか、すました感じの人形だからです。

もし私みたいな画風の人が日本画を描いたらどうなるか?
そういったことにチャレンジしてみました。
いわゆる実験作ですね。

実は私は数年前、今の画風になる前に、日本画で公募展に出展してたのですよ。
その時の経験が生きましたね。

この作品は、現在、東京都美術館(東京都台東区上野公園)で開催されている第40回記念・新院展(11月29日まで)にて展示されています。

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お世話になりました

この竹細工のようなものは、日本画用の筆です。     
次の作品は、日本画ではなく、アクリル絵の具の予定です。
日本画用の筆とは、しばしお別れです。
筆をよく洗って乾燥させます。
この筆の中には、10年もの間の長い付き合いの筆もあります。
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変わり種は、この三連筆です。
筆が3本くっついています。      
画面に柔らかな膨らみを与えます。

ちょっとした皮肉

展示作業も終了しました。
ほっと一息です。
でも、展示した途端に作品の欠点など、後悔の念に駆られて次のステップを考え始めます。
なぜか作品は、完成した途端に気持ちが離れてしまいます。
今回、3枚を油絵、日本画、アクリル絵の具というラインナップにした理由は、『ちょっとした皮肉』です。
世間一般の雑談で、絵をやっていると言うと、『へえー、油絵ですか?』と必ず聞かれることへの『ちょっとした皮肉』です。
ましてや、コンテンポラリーアートについて話そうものなら、『分からない』で会話が終わってしまいます。
それは、それで仕方ないことなのですがね…。
でも、この3枚の作品が、全て違う画材を用いて制作されたとは、説明されるまで気付きません。
結局、そこから浮かび上がるのは、『制作者の個性』であって、画材は、そんなに関係ないことが分かると思います。
何だか画材屋さんが喜びそうな展示方法ですね。eb089d27.jpg
タグ :
#油絵
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#アクリル絵の具
#彩園子
#コンテンポラリーアート

アクシデントと対処法

今日は作品を完成させて、その日のうちに展示作業です。
展示作業の3時間前に画面に直径1cm程の、絵の具の剥落が起こって、慌てて修復作業です。
これは、ちょっと焦りましたね。   
アクシデントは、起こらないようにする事も大切ですが、起こってからの対処が物を言います。
気持ちを落ち着かせてから、冷静に問題を解決していきます。
作品をイーゼルから外し、平たく寝かせます。
そして、溶剤で溶いた岩絵の具を水溜まり状に剥落部分に置いておきます。
そして、ドライヤーで乾燥させます。(ドライヤーで乾燥させると、ひび割れの原因になるので、御法度ですが、非常時なのでやりました)
すると、何事もなかったかのように、元に戻りました。
こういったアクシデントは、普段から画材の特性を把握してないと一巻の終わりです。
いざという時には、やはり知識が物を言います。
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仕上げに突入しました

作品はどんどん仕上がってきてますよ。
だんだん私の頭に思い描いている構想に近くなってきました。
今回は久し振りの日本画だったので、技術的苦戦を強いられて、制作に4ヶ月もかかってしまいましたが、あとは仕上げのラストスパートです。
お盆の数日間でラストスパートをかけて、8月21日には完成させる予定です。
そして25日からの『彩園子の作家50人展』で初披露となります。72e7d2d8.jpg
ec527ba0.jpg今、使用している絵の具を、ズラリと並べてみました。
カラフルでしょ?

もはや

制作中の作品は、もはや写真では進行具合が分からなくなってきています。  
とりあえず、先週の写真と今週の写真を並べますので比較してみて下さい。

cd20e4a8.jpgこれが先週の段階です。
d76c3376.jpgこれが今週の段階ですね。違いが分かりますか?
注) この作品は、洋画ではありません。岩絵の具を用いた純然たる日本画です。

進んできました

 製作中の絵画は、作業が大分進んできました。下書きの鉛筆の線が透けて見える問題も、チューブ入りの日本画絵の具を使用することで解決しました。画面がぐっと完成に近付いてきました。何としても、8月25日からの『ギャラリー彩園子の現代作家50人展』に間に合わせないといけません。いい加減、締め切りが迫らないと本気にならない習性を何とかしないと…。
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注)この絵は洋画ではありません。絵の具や筆など、全て日本画の画材を使って描かれた日本画です。

技術的問題

制作中の作品は、ここに来て、技術的問題にぶつかりました。写真では分からないのですが、髪の黄色い色の部分が下絵の鉛筆の線が透けて見えてしまう問題が発生しました。締め切りまで、約1ヶ月です。何とか解決させなければ…。1b97137f.jpg

徐々に

おすましdoll

制作中の作品は、徐々に出来上がってきています。
制作は、今年の4月から着手しているので、既に3ヶ月以上かかっている事になります。
なぜなら、今回の作品は久し振りの日本画作品なので、慎重に制作を進めているので、時間がかかってしまうのです。

普段なら、1枚につき、2ヶ月前後で、急げば2週間で完成させてしまうので、いかに慎重に作業を進めているか分かります。
(急げば2週間で完成出来るものを、2ヶ月もかかってしまうのは、肉体的にしんどい事と、全てのスケジュールを作品制作のために犠牲にするので、よっぽどでないと難しいからです)

写真では分かりにくいですが、色はかなりビビッドです。
この絵を見て、誰も日本画画材で描いた作品に見えないでしょう。
それが、この絵の狙いです。

DOLLな1枚

7月3日はアトリエ彩園子の日でした。描きかけの、お人形さんの絵の制作を続けます。今回の絵の特徴は、全て日本画画材で制作しているという事です。現時点では、まだ下地塗りです。仕上がった時点で、色はもっとビビッドな感じになる予定です。前髪のオレンジ色は、大宮政郎先生のアドバイスで、オレンジ色になりました。制作後は、私と他の生徒と大宮先生、彩園子の支配人の村井さんと雑談です。そのうち、大宮先生と私の、コンテンポラリー・アート談議にヒートアップしてしまいました。多分、聞いていても、誰も話について来れないマニアックな内容です。大宮先生曰わく、日本には、新進の画家の個性を伸ばす美術教師や評論家が居ないとの主張です。確かに言われてみると、そんな気がします。b634f496.jpg
気まぐれギャラリー
『シャキーンとした猫』
2019年

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