テレビドラマが苦手な私が、思わず観てしまうドラマは、ラストフレンズです。こんな不幸そうな表情な長澤まさみさんや、こんな男気ある上野樹里さんは、めったにお目にかかれません。特にルカ役の上野樹里さんの役作りは、『のだめカンタービレ』の、『のだめ』から驚くべき変化を遂げています。以前から、上野樹里さんは、ファッション雑誌でモデルとして撮影される時も、表情やカメラの角度で、くるくると、まるで別人のように変わる印象がありましたが、今回は、えらい変わり様です。天然ボケの音大生『のだめ』から、性同一性障害のボーイッシュな女性『ルカ』の役柄の変化は驚愕です。ドラマは、ドメスティック・バイオレンスに悩む『ミチル』や、性同一性障害に葛藤する『ルカ』、セックス恐怖症の『タケル』など、現代的な人間模様が描かれています。若者は、親から巣立つと、住まいを変えて、自分で生活環境をコントロールできるようになります。そうなると、頼れるのは、親より友人の方が関係が濃密になります。シェアハウスという、友情が重要になる環境で、ドメスティック・バイオレンスや性同一性障害、セックス恐怖症の人間が共同生活する様は、現代だからこそ描ける人間模様だと思います。