美術手帳の最新号はアウトサイダー・アートを特集しています。
アウトサイダー・アートとは、平たく言うと、正式な美術教育を受けていない精神障害者が制作した作品群のことを言います。
通常のアーティストは、ある所に到達すると、いかにクレイジーなアイデアが生まれないか悩みます。
だから、アーティストは、人を食ったような前衛パフォーマンスをしたり、ダリや岡本太郎のように、マスコミに登場してクレイジーに振る舞ったりします。
しかし、アウトサイダー・アートの場合は、通常の人間では体験出来ない、幻覚妄想の世界に居る方達が制作しているので、健常者では考え付かない作品を制作してしまいます。
どんなにクレイジーに振る舞うアーティストも健常者ですから、かないません。
私が見る限り、アーティストのクレイジーさと、精神障害者の奇異な行動の違いは、アーティストのクレイジーさは、思想や芸術的考察を基に理路整然とした理屈の基に成り立っています。
しかし、アウトサイダー・アートは幻覚や妄想の体験や滅裂な思考(連合弛緩)を基に奇異な行動や作品を制作することが違うと思います。

写真は統合失調症を患っていたアロイーズの作品です。
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