★絵描きの日記

加茂谷正俊のブログです。 絵画を中心に美術やっています。 公募展出展、グループ展や個展などもします。 2010年、2014年、2018年、2022年、富山国際現代美術展に参加。

2007年07月

グレイソン・ペリー展

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金沢21世紀美術館の『我が文明:グレイソン・ペリー展』に行ってまいりました。
グレイソン・ペリーはイギリスの現代美術の作家で陶器やキルト・デザイン、衣装デザイン、映像作品などを手掛けています。
でも、圧倒的に陶器の作品が多く、現代美術版の陶芸家と考えても間違いはないと思います。

陶芸作品は壺が多いですが、写真をコラージュしていたりして、普通の壺とは違います。
壺に性的表現が描かれていたりして、18禁の香りがします。
コラージュなど、様々なイメージをモザイク状に貼り付けてあり、壺1つでも見ていて飽きません。
不思議と壺は、古典的な西洋の壺の形態をしており、現代的な描画との落差を狙っている感じがします。

また、女装が好きなようで、(ゲイ?)映像作品では、自ら女装して女装趣味の方々をレポートしている映像作品もあります。
そういえば、フリフリのドレスのデザインもしており、『女の子』な感性も持ち合わせているようです。

私は、何だか見ている内に、つくづく不思議な方だなぁと感じました。
何故ならば、壺もドレスも古典的な形状を好む一方で、そこに描き描くものは現代的だからです。
保守的なのか革新的なのか分からないという感じです。

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でも、そこがこの人の面白い所です。アートにおいて、保守性と革新性は表裏一体なのかも知れません。

小田中耕一染物展

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盛岡市材木町の光原社へ、小田中耕一染物展を見に行きました。
小田中耕一さんは、国画会の工芸部の準会員という立派な肩書きを持つ染物作家です。

会場では、小田中耕一さんが居ましたが、忙しそうに来客の応対をしていました。
小田中耕一さんに、名刺でも渡して、挨拶しようかと思いましたが、 忙しそうに接客していたので迷惑がかかりそうなので、遠慮しました。
会場の展示の中で、猪の暖簾が良かったです。
また宮沢賢治の童話を題材にした、『クラムボン』もカワイくて良かったですよ。
作品見ていると、小田中耕一さんは動物の表現に愛情が込もっていて、動物が好きそうな方だと思いました。

小田中耕一染物展は今月、19日〜22日10:00〜18:00に盛岡市材木町2-18、光原社イーハトーブ館にて開催されております。
カワイイ動物柄一杯の染物展ですよ。
興味がある方は、是非ともお立ち寄り下さい。

※この記事は2016年11月6日に、投稿当時の原文を損なわない程度に編集致しました。

天に感謝

今回の連休は、台風4号に始まり、中越沖地震に終わりました。幸い、私は台風の直撃の前日に金沢入りをした上、地震の影響も受けずに済みました。天に感謝します。地震の日の朝は富山に居ましたが、金沢に向かうため、富山駅で特急北越(越後湯沢始発)に乗ったのが10:12で地震があったのは、10:13でした。これを逃したら、越後湯沢始発の特急電車に乗れなかったことになります。台風4号と中越沖地震の被害にあった方は本当に、お気の毒です。そして、私は本当に天に感謝します。もう、人生の運を使い果たしたかも知れません。また、帰りの飛行機で森 喜朗元総理大臣の近くに座れるというオマケの運も付いてきました。明日から運を使い果たしたと思って、慎重に行動しようと思います。

ジンときた

さようなら金沢。さようなら、紋川君。さようなら、小岩君。さようなら、タイガーピットのDJコリーノ女史。さようなら、たっちゃん。金沢に帰りたいけど、帰ることができないのです。ab06a5d8.jpg
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エイドリアン・ブリュー

富山県教育文化会館へエイドリ・アンブリューのライブを聴きに行ってきました。エイドリアン・ブリューは、プログレッシブ・ロックバンドの雄、キング・クリムゾンでギターとボーカルを担当しています。富山県教育文化会館は、住宅街にひっそりと佇む、公民館みたいな所でした。これから、ブルーノートで演奏する方が、こんな所で演奏して良いのだろうかという感じです。会場はチェックのシャツに眼鏡といった感じのお洒落には縁がなさそうなオタクなプログレファンが集まっています。富山県教育文化会館の会場は当然、スタンディングではなく、椅子がありますが、椅子の番号の振り方が前列から、『いろはにほへと』の順番に番号が打ってあります。私は『は』だったので、前から3列目でした。今時、こんなコンサートホールってあるんでしょうか?さて、やがて、客電が落ちてエイドリアン・ブリューの登場です。いきなり2曲もキングクリムゾンの曲で始まり、会場は大盛り上がりです。あのキング・クリムゾンCDから聞こえるギターと声を生で聴くことが出来た喜びは、感無量です。エイドリアンはただ、ギターの弾き方が上手いだけでなく、足元にあるエフェクターの使い方が常人離れしています。→続く7289a7b0.jpg
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金沢21世紀美術館

いつも郷帰りして思うのですが、いざ金沢へ来ると、18年間も住んでいたので、今さら観光という感じはなりません。そんな風に感じている私でも、金沢へ来たら必ず寄る所は、金沢21世紀美術館です。私は元から、モダンアートが大好き人間なので、まさにうってつけの場所です。ここの美術館は、建築物からしてアートで、一番人気はレアンドルのプールです。上から見れば、プールの水中に人が立っているように見え、下の方から見ると、水面がゆらゆらして、上から覗き込んでいる人の顔がゆらゆら見えます。金沢に観光へ行く方にはオススメですよ。〈昨日の問題の回答〉1.キン大:金沢大学の略称、金大 2.ホク大:北陸大学の略称、北大a9975039.jpg
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郷帰り

連休を利用して、石川県の金沢市に郷帰りしてます。羽田空港から飛行機で行ったのですが、台風が列島を直撃しているので、揺れないか心配でしたが、快適な空の旅でした。金沢は半年振りでしたが、ずっと住み続けている感じがしました。写真は羽田空港と、地上13階から見た金沢の香林坊。金沢に着くと、北鉄(北陸鉄道)、竪パー(竪町パーキング)、石交(石川交通)など、地元の略語が、するする出ます。では、石川県に住んだ経験のない方に問題です。次の大学の略称は何大学の略称でしょうか?1.キン大、2.ホク大……正解は明日のブログで。7d038c25.jpg
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ピカソ展

ピカソ展へ行ってきました。ホント大天才な方でした。筆のタッチ一つにしても常人とエネルギーが違います。私は以前は、ピカソのキュビズムの頃の絵が好きでしたが、最近は晩年の無邪気な落書きのような絵画が好きです。晩年のピカソの絵は『能ある鷹は爪を隠す』という言葉通りです。晩年まで高度なデッサン力を維持していたピカソは、デッサン力を発揮するような絵は敢えて発表せず、無邪気で、エロチックな絵を発表続けました。それは、一種の知的挑発行為に考えられます。やはり、それはスペイン人という今回、観て感じた事は、ピカソの絵は皆、具象画なのです。キュビズムなどは、究極のリアリズムです。物体の形態をあらゆる角度から見て、再構成しているので、3次元的な表現方法です。ピカソにとっては、晩年の無邪気な絵は彼の心象的にはリアリズムなのです。ピカソ展は、今月16日まで岩手県立美術館で開催されますので、興味持たれた方は急いで観に行って下さい。もうすぐ終わりますよ。dac3031f.jpg

The Idiot

The Idiot

イギー強化週間の最後は“The Idiot”です。
“The Idiot”はドラッグ中毒のため入院したイギーに、デビッド・ボウイが手を差し伸べて復活させたアルバムです。
“Low Power”の時もボウイが手を差し伸べましたが、その時に比べてイギーの状況が深刻なようで、ジャケット写真の顔も病み上がりのような印象を受けます。

もう、ストゥージズも自然消滅しており、頼るものはボウイだけです。
そのため、アルバム全体がボウイ色が強いです。
イギーのボーカルもボウイを意識していて、時にボウイの声色を真似ているのではないかと思う程です。
それまでストゥージズで、『ギャーっ!』とシャウトしていた世界とは真逆の世界です。

アルバム全体に知的で、アートな雰囲気が漂い、イギーのアーティストとしての側面が強調されています。
このアルバムで一番有名な曲が、“China Girl”です。チャイナガールは、後にデビッド・ボウイがカバーしヒットさせています。
このアルバムで一番ポップな曲です。

“Fun time”はどこかルー・リードを思わせるボーカルと曲調です。イギーはFunという言葉が好きなようで、過去に“No Fun”、“Fun Hause”という歌も作っています。
“Fun time”は、このアルバムで最もロックしていて、好きです。

“Nightclubbing”は夜になったら、クラブに行って時代の最先端を楽しもうという歌詞の曲で、ボウイのキャラでは絶対に作れない曲です。

知的な香りがするこのアルバムは、イギーの芸術家としての本領発揮です。
そう、ここにはストゥージズのイギーではなく、高校教師の家庭で育ち、大学で教育を受けたプロフィールが最大限に生かされています。

※この記事は2016年9月25日に、投稿当時の文章を損なわない程度に修正致しました。

イディオット(紙ジャケット仕様)
イギー・ポップ
ユニバーサル ミュージック
2014-10-29

Low Power

Low Power

イギー強化週間に遂に、『淫力魔人のテーマ』が登場!
『淫力魔人のテーマ』はシングルカットされたタイトル曲“Low Power”の邦題ですが、こんな邦題を考えた日本人のセンスに思わず、ずっこけてしまいます。

しかし、昭和48年当時の日本は、パスタの事を『スパゲッティ』と呼び、『ナポリタン』などという日本独自の調理法で調理された物しかありませんでした。
ソーセージは赤い着色料が付いたものか、魚肉ソーセージで、チーズと言えば、プロセスチーズの事を差していました。
また、グレープフルーツが大変珍しい果物として重宝されていました。そんな時代である事を考えれば、納得出来なくもない気がします。

このアルバムは1曲目の“Search And Destroy”を抜きにしては語れないでしょう。この強力なイントロは、冗談かと思ってしまう程、野獣的です。
この曲と“Low Power”は“ズン・ズン・ズン”と怪獣の足音のような、典型的なストゥージズのリズムで構成されています。
これは、ドラムとベースのロンとスコットのアシュトン兄弟による独自のリズム感に由来すると思います。このアルバムは、それまでの前の2枚に比べて一段とグラムロックの色彩が強くなっています。

それは、1970年にストゥージズはレコード会社を解雇され、メンバーのドラッグ中毒もあり、一度解散しました。
しかし、デビッド・ボウイがストゥージズのファンであったため、自分のプロダクションにストゥージズを入れてレコーディングしたのが、このアルバムなのです。
そのため、アルバムのミキサーもボウイがやっています。
グラム色が強くなって当然ですが、イギーもジャケットを見るとメークをして、グラム・ロッカーを気取っています。

イギーのこの写真は映画、トレインスポッティングに登場した程有名なイギーの姿として、認識されています。
今年は再結成したストゥージズがフジ・ロックフェスティバルに出演予定であるので、多くの話題を振りまきそうです。

※この記事は投稿当時の原文を損なわない程度に、2017年1月3日に編集致しました。

ロー・パワー
イギー&ザ・ストゥージズ
ソニー・ミュージックレコーズ
1997-05-21

気まぐれギャラリー
『シャキーンとした猫』
2019年

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