金沢21世紀美術館の『我が文明:グレイソン・ペリー展』に行ってまいりました。
グレイソン・ペリーはイギリスの現代美術の作家で陶器やキルト・デザイン、衣装デザイン、映像作品などを手掛けています。
でも、圧倒的に陶器の作品が多く、現代美術版の陶芸家と考えても間違いはないと思います。
陶芸作品は壺が多いですが、写真をコラージュしていたりして、普通の壺とは違います。
壺に性的表現が描かれていたりして、18禁の香りがします。
コラージュなど、様々なイメージをモザイク状に貼り付けてあり、壺1つでも見ていて飽きません。
不思議と壺は、古典的な西洋の壺の形態をしており、現代的な描画との落差を狙っている感じがします。
また、女装が好きなようで、(ゲイ?)映像作品では、自ら女装して女装趣味の方々をレポートしている映像作品もあります。
そういえば、フリフリのドレスのデザインもしており、『女の子』な感性も持ち合わせているようです。
私は、何だか見ている内に、つくづく不思議な方だなぁと感じました。
何故ならば、壺もドレスも古典的な形状を好む一方で、そこに描き描くものは現代的だからです。
保守的なのか革新的なのか分からないという感じです。
でも、そこがこの人の面白い所です。アートにおいて、保守性と革新性は表裏一体なのかも知れません。