2015年11月
11月30
11月29
11月28

私が人生において、芸術について最初に開眼したのは、意外にも文芸作品からです。
ファインアートではありませんでした。
中学生の時から数学が苦手で、なぜか国語だけは勉強しなくても試験で高得点を取る特異体質であった私。
最初に夢中になった文芸作品は、三島由紀夫の小説でした。
ある日、国語の教師が授業中に、三島由紀夫の市ヶ谷駐屯地で起こしたショッキングな事件の話をしていました。
そこで、興味を持ったのが初まりです。
『金閣寺』から読み始め、『潮騒』を読み、『仮面の告白』で決定的に三島文学の虜になりました。
三島由文学の特徴は、まるで詩歌のような美しい文章にあると思います。
『どうやったら、このように美しい文章が書けるのだろうか?』と、本当にマジックをかけられたような心境でした。
色々読みましたが、1950年代の作品が秀逸だと思いました。
'60年代の作品になると、途端に『右翼の美学』のような文学になり、ちょっとついて行けなくなりました。
短編小説の『憂国』を読んで、三島由紀夫の美学が分かりました。
『憂国』は二・二六事件をモチーフにし、夫婦で自決する陸軍中尉について書いています。
文章は相変わらず耽美的ですが、内容は考えさせられるものでした。
今年の11月25日で、三島由紀夫が陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決してから45年経ちました。
その報道で、私は複雑な心境になりました。
記事を読んで、『天才は何を考えているか分からない』と感じました。
確かに、私が三島由紀夫の小説を読みはじめた動機も、その事件を知ってからです。
でも、どこか腑に落ちません。
しかし『憂国』に、そのヒントが隠されていると思います。
自衛隊の隊員に二・二六事件のようなクーデターを起こすように演説し、まさに『憂国』の主人公のように自決してしまいます。
『憂国』は三島由紀夫のお気に入りの作品だったようで、自ら主演した映画まで制作しています。
まさに『憂国』の主人公のように、自身を己の美学で葬り去ろうとしたように私は考えます。
最初に三島由紀夫の小説を読んだのは14歳で、最後に読んだのが19歳でした。
その間に現代美術の面白さを発見し、ロックを聴くようになり、髪型はロングヘアーに変わりました。
19歳のある日、もう何度も繰り返し読んでいた『憂国』を、移動中の新幹線の中で、また読んでいました。
その時、『もう三島由紀夫の小説を読むのはやめよう』と思いました。
ふと何気に、そのナショナリストな美学に嫌気が差したのです。
ロングヘアーでロックを聴き、現代美術を探求する私は、三島由紀夫が自決する時に危惧していた『堕落した日本人』みたいになっていたかも知れません。
でも間違いなく、私が芸術について開眼したのは三島由紀夫の文学のお陰です。
後年、私の絵画が日本人的で象徴的かつ装飾的な作風になったのも、三島文学からの無意識の影響なのかも知れません。
11月27

26日は疲労困憊したため、早々にベッドに入り9時間寝ました。
27日の朝は元気になっていました。
日が短くなり、朝でも少し暗いです。
27日は雨なので、Freelander 2で移動しました。
最近、車体にコーティングをかけたのでピカピカです。
とても2007年型の車には見えません。
この優雅な横のシルエット、英国車は良いですね。
私は着ている衣類も英国ブランドの服が大多数です。
先日、衣類の冬物衣類の整理整頓をしていましたら、購入したことを忘れた服が出て来ました。
なかなか良いデザインなので、最近は古い服を引っ張り出して、手入れをして着ています。
英国のファッションや工業製品のデザインは秀逸であることを、本当に実感しています。
11月26

25日は、ふと加藤和彦さんの曲を聴きたくなり、'60年代末〜'70年代初めの音源を聴きまくりました。
たった数年の間に、ザ・フォーク・クルセダーズ、ソロ、サディスティック・ミカ・バンドと、全く違う活動をしています。
『帰って来たヨッパライ』は当時、京都の無名の大学生であった加藤和彦さんが、オープンリールのテープレコーダーで早回しや効果音を入れたり、サウンドメイキングに凝った音の工芸品です。
そして、『帰って来たヨッパライ』で、加藤和彦さんは一躍、時の人となります
『あの素晴しい愛をもう一度』は、今や誰もが知る名曲を作曲したコンポーザーとしての才能を不動にしています。
アルバム単位で加藤和彦さんのキャリアの頂点に立つのは、サディスティック・ミカ・バンドの『黒船』でしょう。
プロデューサーは、ロキシー・ミュージックや後にセックス・ピストルズをプロデュースしたクリス・トーマスです。
40年以上前の1974年に、日本人が『黒船』のようなアルバムをリリースしたことが奇跡だと思います。
音は全く古さを感じさせず、日本語で歌っている以外は、まるで英国のバンドが演奏しているように感じさせます。
アルバムをリリース後にロックの本場、英国をツアーした事実も凄いです。
今でこそ、海外でライブをする日本のロック・バンドは珍しくないですが、それを40年前にとは…。
加藤和彦さんは、どこまでモンスター級の才能を持ったミュージシャンなのでしょうか!
他界して6年経ちますが、もっと現代の日本人は加藤和彦さんをリスペクトすべきだと思います。
11月25

25日の最低気温は2.7℃でした。
朝にデニム姿で散歩に出ましたら、あまりの寒さで凍えそうになりました。
なので、マンションに戻ってから、今季初めてコーデュロイのボトムスを引っ張り出しました。
毎年、氷点下になるまでデニムが頑張るのですねどね。
コーデュロイのボトムを履いて気付いたのですが、購入した時は、ギリギリのジャストサイズだったのですが、最近痩せたため、少し緩く感じられました。
もしかして、痩せたために寒さに弱くなったのでしょうか?
最近、体調は良いのですが、なぜか小食になりました。
人に言うと、心配されることもありますが…。
なので、食事は近頃はカフェで済ますことが多くなりました。
カフェで食事…。
男子なのに、女子力アップしたのでしょうか?
写真は、私がよく利用するカフェの照明器具です。
11月24

23日は、ロックを聴きながらファッション誌を読みまくりました。
メンズ、レディース問わず読みましたが、やはりNYLONが強烈で読み応えがあります。
全体的に、この冬はミリタリーにスイッチしているように感じられました。
アウターはMA-1に、モッズコート(M-51)、カモフラ柄といった具合です。
チェスターフィールドコートの流行は続いていて、もはや定番となっています。
そして、インナーをちょっと大きめにルーズに着て、つば広ハットを被れば、たちまち今季風になります。
メゾン系のブランドは'70年代ファッションのリバイバルを計っていましたが、夏場にボヘミアン風のファッションや、つば広ハットが流行した他は、ストリート系では定着しないような印象です。
やはりガチガチの'70年代ファッションでは、ちょっと装飾的で着回しが効かなかったり、窮屈だったりすることが原因でしょう。
メゾン系でプッシュしても、ストリート系では定着しないことは、過去に多々ありましたので、特に驚きませんですけどね。
いつの時代でも思うのは、流行の服が自分に似合うか似合わないかだと思います。
体型や、その人の雰囲気があるかと思いますので。
ファッションは、必ず複数の流行アイテムがあるので、自分に似合うアイテムをチョイスして咀嚼すれば、その人の個性が引き立つと思います。
11月23
11月22
11月21

21日はThe Whoのアルバム"TOMMY"を聴きました。
もう、人生で何度聴いたか分からないほど、何度も聴いているアルバムです。
このブログでも、もう何度も"TOMMY"について書きました。
『ロックの名盤』と書かれた本には必ず紹介される名盤中の名盤ですが、それだけあって、聴く度に新たな発見があります。
The Whoの4人の丁寧な演奏と、ソングライターのピート・タウンゼントの繊細な曲が魅力のアルバムだと思います。
名プレイヤーと言われるキース・ムーンのドラムとジョン・エントウィッスルのベースに、ピート・タウンゼントのアコースティック・ギターが彩りを添えます。
なので、ロック・バンドのアルバムとしては全体的にアコースティックなサウンドのアルバムに聴こえます。
The Whoのメンバーの中でも、いつも評価が分かれるロジャー・ダルトリーのボーカルも冴え渡っています。
個人的には、ロジャーのボーカリストとしてのキャリアの中でも、最も素晴らしいボーカルを披露していると思います。
やはり、ロックを聴いている時間が自分にとって至福の時間だと思っています。
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