大阪、中之島にある国立国際美術館 NMAOに行って来ました。『30年分のコレクション』と銘打ち、ありったけの所蔵品を披露していました。この美術館はコンテンポラリーアートのコレクションが膨大にありました。私の好きなハイレッドセンターの高松次郎さんの影の絵、中西夏之さんのコンパクトオブジェ、ネオダダの篠原有司男のオートバイがありました。他に興味深い作品はクリストの梱包芸術です。あの、島や橋を梱包する構想は、細密なスケッチからスタートしていたのです。アンディ・ウォホールのマリリンもありましたが、シルクスクリーンのため、あらゆる所でマリリンを見ていたので、食傷気味でした。この美術館は元々、大阪万博の美術館を利用して作られた美術館ですが、2004年に中之島に場所を移して再スタートしたそうです。個人的に一番感慨深かったのは、前述の中西夏之さんのコンパクトオブジェですね。これは、オブジェとなる品々を卵形の透明な樹脂で固めた物です。まるで、巨大なピータンみたいな不思議な作品です。赤瀬川源平さんの著書で、白黒で写っていた卵型のコンパクトオブジェは、色彩を放って、今自分の目の前にある事が信じられませんでした。→続くcc0741fc.jpg
実物は、1962年作の古いオブジェのため、卵の中に入っていた品々が、骨董品に見えました。私は、NMAOがコンパクトオブジェを所蔵している事を知らずに美術館を訪れていたので、びっくりしました。まさかこの作品が、現存するとは思いませんでした。これは人間、生きていれば何か良い事があるという典型です。コンテンポラリーアートが好きで良かったと、ひしひしと感じられました。