今日は、時々無性にに聴きたくなるバンドThe Who(ザ・フー)の話です。

The Whoは、ビートルズとほぼ同世代のバンドですが、ビートルズに勝るバンドに他ならないと思います。

セールス的にも知名度もビートルズの方が上を行っていますが、ライブ活動に置いては、世界で初めて大出力のアンプを使い始めるなど、The Whoの方が進んでいました。
現在、ロックバンドでよくみられる、ドラム、ベース、ギター、ボーカルの各1名ずつ4人編成のバンドをThe Whoは発明しました。
The Whoは楽曲よりも、そのライブパフォーマンスに定評があり、1976年には『世界で最も大きな音で演奏したバンド』としてギネスブックに載る程です。

それは、マネジメントの契約のトラブルで、レコーディング作品におけるThe Whoの印税が正当に扱われなくて、必然的にライブに活力を見出すしかなかったためです。

しかし、同じようにやはり、ライブ活動に活路を見出していたローリング・ストーンズ とは、そのノリは明らかに異なっていました。
ローリング・ストーンズが、ネチっこいブルース調の曲調を得意としたのに対し、The Whoはタテノリのロックを真骨頂としていました。
そういったタテノリなロックのライブを、どう演奏するかについてThe Whoがそのノウハウを確立させたようなものです。
そのような点が、同時代のビートルズやローリング・ストーンズとは、また違った存在であったことを証明します。

そして、その激しさうえに、The Whoは、まるでレーシングカーがクラッシュをするかの如く崩壊していきます。
1978年に伝説のドラマー、キース・ムーンが抗酒薬とアルコールの過剰摂取によって他界し、2002年には、ベースのジョン・エントウィッスルが売春婦の体の上で腹上死します。
その生き様はロックそのものですが、それが良いことである筈もなく、それがこのバンドの鬼門となっていきます。
The Whoのドキュメンタリー映画、アメイジング・ジャーニーは、そんなThe Whoが崩壊していく様と、その鬼門を克明に記録しています。
そして、殴り合うほどに犬猿の仲であった、ギターのピート・タウンゼントとボーカルのロジャー・ダルトリーが、4人の中で生き残ったという事実を受けて、強い絆で結び合う所で終わります。
それは、2人はロックな生き様が、いかに恐ろしいものであるのか、誰よりも肌で実感していることに他なりません。
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私が好きなThe Whoの曲、“Substitute”です。
このイントロの高揚感が何とも言えません。
この映像では曲の最後の部分で、気持ち良い程にビシッと決まっている所に注目です。