9日は、The Who (ザ・フー)の“ Quadrophenia (邦題;四重人格)”を久し振りに聴きました。
私のBlogを、いつも読む方は、『おやっ?』と思うことでしょう。
普段、無類のThe WhoのマニアだとBlogに書いているのに、『The Whoのアルバムを久し振りに聴くとは、これいかに?』と思うことでしょう。
なぜなら、“Quadrophenia”は、The Whoの編集盤を除いたオリジナルアルバムで、唯一のCD2枚組の超大作だから、そんなに気軽に通して聴けないのです。
The Whoの超大作は2作あって、ロックオペラ“Tommy”と、この“Quadrophenia”です。
しかし、“Tommy”はアナログ時代はレコード2枚組でしたが、CDの時代になり、1枚に収まったのです。
ですので、“Quadrophenia”は唯一のCD2枚組になってしまい、聴いている途中でCDを入れ替えなければなりません。
そして、iPodで聴いてる時でさえも、途中でカチッとスイッチを入れ直さないといけないのです。
そういった聴く手間もかかる上、私の場合、'60年代の初期のThe Whoの曲が好きな傾向なので、“Quadrophenia”は、ついつい避けて通ってしまいます。
久し振りに通して聴いてみると、なかなか良くて、何でしばらく聴いてなかったのかと思う位でした。
あんなに、通して聴くと大変だと思っていたのが、嘘のように、あっと言う間に時間が過ぎました。
1973年に発表された作品なのに、大胆にシンセサイザーが導入されたサウンド…。
そして、何度もオーバーダビングされたであろう複雑な音の構成に、まるで音のタペストリーのように感じられました。
前述のロックオペラ“Tommy”は、ライブで演奏することを前提にレコーディングされたため、それ程複雑なオーバーダビングがなされていないのですが、この“Quadrophenia”は、当時ライブで全編再現が不可能だったというのも頷ける位に複雑なオーバーダビングが、なされています。
現在、The Who は“ Quadrophenia”を全編再現させるツアーの真っ最中です。
YouTubeで観ると、21世紀の技術と、ゲストミュージシャンの動員による人海戦術により、ようやく再現が可能になった印象です。
1996年にも、The Who は“ Quadrophenia”を全編再現させるツアーを敢行していますが、この時はギターのピート・タウンゼントが、聴覚障害のために明らかに及び腰でしたが、今回はガッツリ本気さを感じさせられます。
何よりも、1996年のツアーに比べ、よりソリッドでロックな演奏で、かつテクノロジーの進歩を感じさせるものになっているのです。
これは、ライブ盤CDやBlu-ray 作品として発表して欲しいクオリティーです。
あっ!
もちろん、是非とも日本にも来てもらいたいですね。
でも、滅多に日本に来ないThe Whoのことなので、どうなるか分かりませんが…。
Quadrophenia [CD]