Out There

2013年11月19日のポール・マッカートニーのライブレポです。
私にとって11年振りの2回目の、ポールのライブです。
バンドはポールの他は、キーボードのウイックス、ドラマーのエイブ、リードギターのラスティ、リズムギターのブライアンでポールを含めると5人です。
何と、このバンドのラインナップは、11年前に私が大阪ドームで聴いた時と同じなのです。
私は前回、11年前に現在のバンドのラインナップになったばかりで聴いたという訳です。
ポールのバンドは'70年代のウイングスでは、約2年毎にメンバーの入れ替わりがあったことを考えたら、驚異に息の長いバンドになります。
なので、11年前聴いた時と今回聴いた時と全体を比較すると、今回の方がバンドとして、こなれてきたという印象です。

ポールの声は11年前と比べて年齢と共に枯れてハスキーな声になっていましたが、その分バラード系の曲よりロックな曲を歌った方が格好良く聴こえました。
アンプとキャビネットは、ビートルズでお馴染みのVOXを使用していましたが、'60年代と違い、スタジアムのライブに見合う巨大なものになっていました。
ポールのヘフナーのベースをVOXのアンプで聴くのは、非常に正しいと思います。
ビートルズのライブは、アンプも小さく、PAの技術も発展途上の時代だったので、女の子の悲鳴で演奏が聴き難かったというのは有名な話ですが、もし、きちんと聴けていたら、ベースはこんな音だったのかなぁと感じました。
そして、何よりポールのベースのテクニックが素晴しかったです。
ポールのベースで印象的なハンマリング・オンを生で、また聴けたのが嬉しかったです。

大体のセットリストは、ネットや雑誌で知っていましたが、日によって変更するとも事前に調べていたので、どんな曲目を演奏するか気になりました。
何よりも嬉しかったのは、今回のツアーで外されていたと思われていた“Jet”をやってくれたことです。
“Jet”は、私がポールの曲の中でも、大好きな曲だからです。

書き始めると長くなりそうなので、今回のライブで個人的に良いと感じた曲を3曲厳選するならば、“Let Me Roll It”、“Live And Let Die”、“Hi,Hi,Hi”でした。
偶然ですが、全てウイングスの曲でした。

“Let Me Roll It”はブルージーな曲で、その歌声に『じーん』としました。
ポールはレスポールのギターを弾いていて、曲の最後でポールは喜々として、アンプに近付きフィードバックさせていました。
ポールが、ギターの音をフィードバックさせるなんて見た事なかったので驚きです。

“Live And Let Die”はポールのライブの定番で、火薬が爆発する大スペクタクルな曲です。
火薬が爆発する度に、私は喜んで両手で拳を上げて『わーっ!』と叫びました。
そして、あの有名な間奏が始まると、私は狂喜乱舞しました。
この曲だけは、どんなライブ盤のCDやDVDで聴くより実際にライブで体感した方が良い曲です。

“Hi,Hi,Hi”は、乗りの良いロックンロールな曲で、曲の終盤にテンポアップして盛り上がる曲です。
私も曲に合わせて、“Hi,Hi,Hi”と連呼して歌って飛び跳ねました。
それが、アンコールでの演奏だったので、クセになって帰りのタクシーの中でも“Hi,Hi,Hi”と歌いたくなりましたが、運転手さんに変な人だと思われると思うので、ぐっとこらえました。
ホテルに戻っても“Hi,Hi,Hi”と歌いたかったのですが、夜中なのでこらえました。
思えば、ライブが始まってから終わるまで、私の頭の中が、“Hi,Hi,Hi”だったのかも知れません。

上の写真は、今回の“Out There”ツアーの、ツアー・パンフレットです。