Wight

先日、久し振りにThe Whoの“ Live at the Isle of Wight Festival 1970” (ワイト島ライヴ1970 )のDVDを観ました。
The Whoの全盛期の名演を録音したライブ・アルバムは“Live At Leeds”と“ Live at the Isle of Wight Festival 1970” があります。
どちらも、甲乙付け難い名演ですが、音源と映像が両方残っているのは“ Live at the Isle of Wight Festival 1970” の方です。

この映像の特徴は、とにかく当時撮影したフィルムの色彩が美しいことに尽きます。
フィルムの質が良いのか、保存が良かったのか、カメラマンが良かったのか、理由は分かりませんが、デジタル全盛の現代では絶対に撮影不可能な、味わい深い美しい色味の映像が満喫出来ます。

ライブの映像で最も目を引き付けるのは、ドラム・キットを叩き壊すかのように激しくドラムを叩くキース・ムーンです。
実際に演奏のまっただ中に2回も、ドラムに不具合が生じ、スタッフが修理している様子が映っています。
キース自身も激しい演奏で叩いている最中にドラム・スティックが何回もどこかに飛んで行ってしまいますが、すぐさま予備のスティックに持ち替えて叩き続けます。

もう一つ映像で目を引くのが、ボーカルのロジャー・ダルトリーのロック・スター振りです。
金色の長いカーリーヘア(金髪もパーマも天然)に澄んだ青い瞳、素肌の上にカラフルな上着を着て、厚い胸板を聴衆に向けてシャウトしています。
そして、ロジャーの独自のアクションであるマイクをブンブン回すパフォーマンスも、見事に決まっています。
ロジャーにはカリスマ性がないと言う方も居ますが、誰が観ても、この時のロジャーは間違いなく、カリスマ性のあるロック・スターに見えます。

ギタリスト及びソングライターのピート・タウンゼントは、白のオールインワンにDr.マーチン8ホールというシンプルな服装をしています。
しかし、最近はオールインワンとDr.マーチンが流行しているので、現代的なファッションの視点から見ると、ピートのファッションはオシャレなのだと思います。
ピートは腕を風車のように回転させるウインドミル奏法とジャンプを、何度も決めまくっています。

そして、ベーシストのジョン・エントウィッスルは、ガイコツのオールインワンを着ているのですが、試着もせずに会場に行ったので、キツくて着替えると楽屋で座ることも出来ず、ステージでも同じ場所で同じ姿勢で動けない状態でベースを弾いています。

そんな風に、The Whoの“ Live at the Isle of Wight Festival 1970”は、音でも映像でも充分楽しめる作品だと思います。
音だけ聴きたい方はCDもありますよ。