Johnny Marr + The Healers

ギタリストのジョニー・マーが、齢50にして、その活動の勢いが凄まじいことになっています。
昨年と今年と立て続けにソロ・アルバムをリリースし、ツアーを敢行しています。
どんなロック・スターでも、この年齢になると、多少は衰えるものですが、ジョニーに至っては、ますます元気になっています。

そんなジョニー・マーは、職人肌のギタリストなのか裏方に回ることが多くフロントマンとして活動するのはレアなことです。
ジョニー・マーは'80年代に活動したザ・スミスのギタリストでした。
'80年代という時代は、大衆からギター・ロック疎まれかけていて、エレポップ全盛の時代でした。
そんな時代にザ・スミスはUKのインディ・ロックの中で、熱狂的な支持を得たギター・ロックのバンドでした。
個人的私は、ザ・スミスはそれ程好きではないのですが、ジョニー・マーのギターは気に入っています。
ジョニー・マーのギターを聴くためにザ・スミスを聴いていると言っても過言ではありません。
ザ・スミス脱退後、'90年代はニュー・オーダーのバーナード・サムナーとエレクトロニックというユニットを結成し散発的にアルバムをリリースして活躍していました。

“Johnny Marr + The Healers”(ジョニー・マー&ザ・ヒーラーズ)は、そんなジョニー・マーが珍しく裏方ではなくフロントマンとして活躍したバンドです。
上の写真は彼らの唯一のアルバム、“Boomslang”です。
アルバムとしてのリリースは2003年で約10年前のものですが、現代でも違和感なく聴けます。

このバンドのメンバーが凄くて、ドラマーにザ・フーとオアシスで叩いていたザック・スターキーにベースは元クーラ・シェイカーのアロンザ・ビヴァンとレコーディングしています。
この面子で悪い音を出すはずがありません。
特に私はジョニー・マーもザックスターキーもファンなので、まさに夢のような奇跡のバンドだと思っています。

内容的には、ジョニーのギターが炸裂し、ザックのパワフルなドラムが響きザ・スミスよりロック色が強くなっています。
ザックのドラムのノリは、後期のオアシスに近いものになっています。
また、エレクトロニックでの活動の経験もあってか、ジョニーはシーケンサーの用い方も巧みで、10年以上経ってもモダンなロックに聴こえます。

Boomslang
Johnny Marr & The Healers
I Music
2003-02-03