黒船

25日は、ふと加藤和彦さんの曲を聴きたくなり、'60年代末〜'70年代初めの音源を聴きまくりました。
たった数年の間に、ザ・フォーク・クルセダーズ、ソロ、サディスティック・ミカ・バンドと、全く違う活動をしています。

『帰って来たヨッパライ』は当時、京都の無名の大学生であった加藤和彦さんが、オープンリールのテープレコーダーで早回しや効果音を入れたり、サウンドメイキングに凝った音の工芸品です。
そして、『帰って来たヨッパライ』で、加藤和彦さんは一躍、時の人となります
『あの素晴しい愛をもう一度』は、今や誰もが知る名曲を作曲したコンポーザーとしての才能を不動にしています。

アルバム単位で加藤和彦さんのキャリアの頂点に立つのは、サディスティック・ミカ・バンドの『黒船』でしょう。
プロデューサーは、ロキシー・ミュージックや後にセックス・ピストルズをプロデュースしたクリス・トーマスです。
40年以上前の1974年に、日本人が『黒船』のようなアルバムをリリースしたことが奇跡だと思います。
音は全く古さを感じさせず、日本語で歌っている以外は、まるで英国のバンドが演奏しているように感じさせます。

アルバムをリリース後にロックの本場、英国をツアーした事実も凄いです。
今でこそ、海外でライブをする日本のロック・バンドは珍しくないですが、それを40年前にとは…。

加藤和彦さんは、どこまでモンスター級の才能を持ったミュージシャンなのでしょうか!
他界して6年経ちますが、もっと現代の日本人は加藤和彦さんをリスペクトすべきだと思います。