Venus And Mars

29日はマンションで、ゆっくり過ごしました。

この日は、ふとPaul McCartney and Wingsの"Venus And Mars" (ヴィーナス・アンド・マース)を聴きました。
このアルバムは、リアルタイムの1975年のリリース時には凄く売れたアルバムなのですが、評価がイマイチのように個人的に感じています。
しかし、メンバーチェンジが多かった Wingsにおいて、最も安定した長続きして、かつ最強のメンバーでレコーディングされた『バンドのアルバム』と言えると思います。

ただ気になるのは、ポールがオーバー・プロディース気味にしてしまい、本来のバンドのドライブ感が減っているように感じることです。

しかしながらも、チープな'70年代ポップ感がこのアルバムの魅力だと思います。
そのサウンドは、アルバムのタイトル通り、夜空に輝く星のようにキラキラ輝いているサウンドです。
聴いていると、そのキラキラした音色に胸がキュンとなる気がしています。
特にシングルカットされた、"Listen to What the Man Said" (邦題;あの娘におせっかい)は、最高にポップな1曲に仕上がっていると思います。
そういったポップな感覚が分からなければ、このアルバムは好みに合わない方もいらっしゃると思います。

ポール・マッカートニーの最高傑作とは言えませんが、Wingsにおいて重要なアルバムだと思います。

Wingsのアルバムで共通したムードがあるのですが、それは『家庭的』な空気感です。
まぁ、奥さんのリンダさんと、この当時の子供達であるヘザー(リンダの連れ子)、メアリー、ステラをツアーやレコーディングに同行させているので、『家庭的』であっても無理はありません。
因みに、この"Venus And Mars"はニューオーリンズでレコーディングしています。

それにしましても、今は世界的なデザイナーになりました、ステラ・マッカートニーは、幼少期に凄い経験をしていたものです。
アルバムをレコーディング中は、ステラは4歳で、リリース時は5歳、その後の世界ツアーは6歳だったので、当時の記憶はあるかと思われます。
逆に、常人では経験し得ない凄い体験をしたからこそ、世界的なデザイナーになったのかも知れませんね。
そして、Wingsというバンド名も、ステラの出産を祈っていたポールが、翼をイメージして名付けたという逸話も有名な話です。

Venus & Mars
Wings
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2014-11-04