日本武道館

21日は、日本武道館でQueen+Adam Lambertの日本公演の初日を聴きに行きました。
その感想を、まずは箇条書きにまとめてみました。

1.ボーカルのアダム・ランバートが、尋常じゃない位に歌が上手い!
 ロックを歌わせるには、勿体無いほどの歌の上手さです。
2.ブライアン・メイのギターのテクニックが神業のようであったことです。
3.ドラム・キットが、ロジャー・テイラーと、その息子のルーファス・テイラーの2つあった
 ことです。そして、ドラムはロジャー・テイラーよりも、息子のルーファス・テイラーの方が
 上手かったことです。
4.舞台装置は華美な印象はありましたが、洗練されたステージであったことです。

上の写真は開演前で、まだ撮影可能であった時に撮影致しました。
ライブは、緞帳が上がることで始まりました。
白髪長髪のカーリーヘアのブライアン・メイは、まるで音楽の教科書に出て来るような西洋の音楽家のような風貌になっていました。
'70年代、ベビーフェイスな印象だったロジャー・テイラーも白髪になり、髭も生やしていました。

緞帳が上がった時に意外であったのは、ロジャー・テイラーの左側に、もう1つドラム・キットがあったことです。
しかし、長年に渡る爆音の演奏で左耳の難聴に悩まされていることを考えますと、息子さんのルーファス・テイラーに手伝ってもらった方が良いという判断なのでしょう。
ドラムはバンドのノリに関わる重要なパートですからね。
ちなみに、ルーファス・テイラーは、普段はザ・ダークネスでドラムを叩いています。

いざ演奏が始まりますと、左側のドラム・キットから聴こえるルーファス・テイラーのドラムが、ずっしり重量感があり、父親のドラムを凌駕していることが分かりました。
それにしましても、Queenは、いつから家業になったのでしょうか?

そして、何よりもアダム・ランバートのボーカルが凄い!
凄すぎです!
上に書いた通り、ロックを歌わせるには、勿体無いほどの歌の上手さです。
ミュージカル出身のアダム・ランバートが、これまで様々な歌を歌って来た、"歌"への造詣の深さを感じました。

爆音が鳴ると大抵のロック・シンガーは、シャウトしたり金切り声を上げたりしますが、アダム・ランバートは、オペラ歌手のように声量を大きくして歌い込みます。
声の質は、故フレディー・マーキュリーより、若干キーが低めですが、それでも基本的にはフレディー・マーキュリーに近いキーで歌っていますので、本当にフレディー・マーキュリーが歌っているのではないかと錯覚するほどです。

基本的には、フレディー・マーキュリーに近い歌い回しをしていますが、アダム・ランバートが自分のスタイルで歌い、まるでQueenがアダム・ランバートのバックバンドではないかと思う瞬間までありました。
私もロックのライブを色々聴きましたが、私が聴いて来た中で、アダム・ランバートが最も優れた歌唱力があるシンガーであるように感じました。

アダム・ランバートだけでなく、ブライアン・メイやロジャー・テイラーも、なかなかボーカリスト振りを発揮しています。
あのQueenの楽曲の、複雑なコーラス・ワークがあってのものです。
ロジャー・テイラーは、息子にドラムのテクニックを追い越されましたが、"歌って叩けるスター性があるドラマー"という立ち位置は、息子はかないません。
まるで、リンゴ・スターとザック・スターキーのような関係みたいです。

そして、ブライアン・メイのギターのテクニックが神業のようです。
エフェクターのためだと思うのですが、ギターは、1本なのに2本で鳴っているように聴こえるのです。
Queenのライブ盤では、テクニックをひけらかして、それが鼻に付くように感じましたが、実際のライブで聴きますと、自然に聴こえるので不思議です。
何よりも、そのフレーズを聴くと、Queenの曲に聴こえてしまうことが凄いです。

ステージ装置や照明は、狭いライブハウスでパンク・ロックのライブばかり聴いていた私の感覚からすると華美なように感じましたが、Queenのようなスター性があるバンドでは、ちょうど良いかも知れません。
全体的に、そのステージは洗練されたものになっていました。

セットリストにも様式美があり、アンコールは"We Will Rock You"で始まり、" We Are the Champions"でラストを飾りました。
そして、"神よ女王陛下を守り給え"のBGMでQueenは、挨拶をしてステージを降ります。
まるで、水戸黄門のような予定調和で、オーディエンスも、それ以上アンコールを求めずに、帰り支度を始める所が、長年の彼らのライブの面白い伝統だと思います。

もっと書きたいことが、沢山ありますが、これ以上書くと長くなるので、ここまでにしておきますね。