Call The Comet

今年は、私が好きなアーティストの新作のリリース・ラッシュで、本当に嬉しい限りです。
その中の1枚、ジョニー・マーの新作、"Call The Comet" は、結構気に入りました。

ジョニー・マーは、一番好きなギタリストです。
そのギターの音色は、クリアでメランコリックなサウンドが多いですが、本気を出すとズタズタに歪んだ音色でワウワウ・ペダルを踏んで、別人のようにヘヴィーなギターを弾くことも出来ます。
ちょっと職人肌なギタリストで、楽曲によって硬軟自在なギターを弾くタイプのギタリストです。
あくまで、楽曲を重んじ、楽曲が最も映えるギター・プレイをする姿勢は、その全キャリアに一貫しています。

'80年代は、ザ・スミス、'90年代は、エレクトロニック、'00年代はスタジオ・ミュージシャンのように、様々なバンドを渡り歩きました。
ジョニー・マーは、キャリアは長いですが、本格的なソロ・アルバムは'10年代に入ってからになります。

今回、3作目のソロ・アルバムとなった"Call The Comet" ですが、前の2作のアルバムよりも、どこかザ・スミス風なアルバムになったと思います。
もちろん、ボーカルはモリッシーではなく、ジョニーのボーカルですし、ギターもザ・スミスよりも強烈に弾いています。
そして、シーケンサーも使用しているので、ザ・スミスとは似て非なるサウンドです。

似ているのは、ジョニーがソングライティングする、そのメロディーなのだと思います。
アメリカのドナルド・トランプ大統領の登場に憤って、このアルバムの収録曲を書いたとジョニーが、インタビューで語っていますので、政治的なメッセージがある点も、ザ・スミスと同じスタンスだと思います。

ザ・スミスは、イギリスの当時のサッチャー首相への嫌悪感がベースになっていますからね。

"Call The Comet" は、聴き込む程に、その良さが分かるアルバムだと思います。

コール・ザ・コメット
ジョニー・マー
ワーナーミュージック・ジャパン
2018-06-15