ポール・マッカートニーと言いますと、まさに"超"が付く程の天才ロック・ミュージシャンです。
特に、ずば抜けている才能は、ソングライティングで、『世界で最も商業的に成功した作曲家』としてギネスブックに登録されている程です。
あとは、楽器の演奏において、マルチ・プレイヤーであることです。
本職のベースは、その奏法において革命的を起こした、名ベース・プレイヤーです。
他にエレクトリック・ギター、アコースティック・ギター、ピアノ、ドラムまでも独自の個性で演奏してしまいます。
時には、シーケンサーまで使って、EDMのような曲をレコーディングしてしまいます。
前置きが長くなりましたが、9月7日にポール・マッカトニーの新しいアルバム、"Egypt Station"がリリースされました。
プロデューサーのグレッグ・カースティンと2人でレコーディングされ、マルチ・プレイヤーのポールが殆ど全ての楽器を演奏して録音されています。
一聴して感じたことは、まずはコンセプト・アルバムであることです。
前作"New"は、曲毎にプロデューサーや参加ミュージシャンを変えて、ストリーミング時代を意識して、曲順をシャッフルしても大丈夫な、まさに"新時代"のアルバムでした。
しかし、"Egypt Station"はアルバムを通して聴いて味わうアルバムとなっています。
その背景は、ヴァイナルが世界的に流行して、音楽がアナログ回帰していることにあるでしょう。
今回は、ポールの手による豪華なアートワークが楽しめて、ヴァイナルを意識していることが伺えます。
サウンド的には、プロデューサーのグレッグ・カースティンと、凄く相性が良いことを感じました。
アデルの名盤、"25"もプロデュースした、私もお気に入りのプロデューサーです。
特筆すべきは、エレクトリック・ギターのサウンドの美しさです。
フィードバックさせたり、録音したギターを逆再生させる得意技を披露したり、凝っていることです。
ポールのエレクトリック・ギターの音色も、個性的で、なかなか良いものです。
サウンドも、アート・ワークも、ヴァイナルが似合うアルバムかと思います。