The Jam 1977

昨年の10月にリリースされ、購入を迷っていました"The Jam 1977"を、意を決して購入して聴きました。
内容は、文字通り1977年にThe Jamがリリースした全ての音源4枚とブックレットとDVDが附属されています。

購入を、なぜ迷っていたのかと言いますと、1977年にリリースされた2枚のアルバムは、リマスター盤で所有しているのと、The Jamの当時の音源は限られているので、既に聴いた音源だったらガッカリしそうだったからです。

でも、結果的に購入して良かったです。
初めて聴く音源や、映像が観れたからです。

最も圧巻だったのはDVDで、当時に収録されたテレビやライブの映像です。
テレビ番組の出演では、リップシンクの映像もありましたが、完全に当時のライブの映像を捉えているものもありました。

汗がまみれで歌い、演奏する迫力あるライブの映像は胸を打ちます。
演奏だけでなく、彼らのモッズ・ファッションも注目しました。
3人共に同じモッズ・スーツにシャツとネクタイ、そしてポインテッド・トゥのサドルシューズはファッション好きの私は、見入ってしまいます。

映像を観た印象では、スーツは全員身体に自然にフィットしていますので、シャツやネクタイと合わせて、テイラーで採寸して発注したものだと気付きました。
興味深いのは白黒2色のサドルシューズが、どこのブランドであるかということです。
靴は、さすがにオーダーメイドだと大変だと思いますので…。

CDでは、1977年当時にレコーディングされたライブ盤が圧巻でした。
特にセカンド・アルバムの曲は、その後のセットリストから外されてしまうので、ライブ・レコーディングとしては貴重です。

資料的に言いますと、デモ・ヴァージョンがCD2になっていますが、後の乱暴なライブ演奏と比較しまして、かなり慎重に演奏していることが分かります。
そのサウンドは、"モッズ"と言うよりも、Dr.フィールグッドのようなパブ・ロックのようなサウンドに近い気がしました。

そして、2017年にデジタル・リマスターされ、劇的に音質が向上した、ファーストとセカンドのアルバムが収録されています。

全体的に聴きますと、ザ・ジャムのサウンドは、ソングライティングのポール・ウェラーと、ブルース・フォクストンのコシがあるベースで構成されていると感じました。
ポール・ウェラーのグシャグシャと鳴るギターは不安定ですが、ブルース・フォクストンのしっかりと鳴るベースに下支えされ、構成されるように感じました。

今や、大御所的な存在となりましたポール・ウェラーが19歳だった時の、ダイヤモンドの原石を光らせたボックス・セットのように感じました。
まぁ、どちらかと言いますとマニア向けのボックス・セットかとは思いますが…。

1977 (+DVD)
Jam
Polydor / Umgd
2017-10-20