Coup De Grace

先日は、ほぼ終日、マイルズ・ケインを聴いて過ごしました。
公式にリリースされている、全音源を聴きました。

マイルズ・ケインを聴いていて感じましたのは、その活動スタイルの現代性と音楽性の斬新さです。
2010年代はバンドよりも、SSWが注目された時代であるのは、否定出来ない事実です。

基本はバンドが重視されるロックというジャンルにおいても、SSWのスタイルで活動する意義が高い時代だと思います。

マイルズは、2010年11月19日に最初のシングル、"Inhaler"をリリースし、2011年5月6日にファースト・アルバム"Colour of the Trap"をリリースしています。
SSWのスタイルで活動時期するには、絶好のタイミングです。

また、マイルズは歌いつつも、リード・ギタリストとしてエレクトリック・ギターをギャンギャンと鳴らすスタイルで活動しています。
しかしながら、テレビやラジオ、イベントのようなバンドが入れない空間でも、請われれば、アコースティックギター1本で弾き語りします。
それが、下の動画です。


また、初めからダウンロードやストリーミングのような曲をバラ売りする時代であることを前提にレコーディングやソングライティングで、大物ミュージシャンと共演しています。
そうすれば、共演したミュージシャンのコアなファンが、曲単位で購入して行くことになります。

これまで共作したミュージシャンは、ポール・ウェラー、アンディ・パートリッジ、マーク・ロンソン、ノエル・ギャラガー、アレックス・ターナー、ジェイミーTなどです。

他力本願的なスタンスでに見えますが、それには大物ミュージシャン達から、その実力を認められなければ実現しない話です。
マイルズは、共演・共作する価値のあるミュージシャンであると、大物から認められた証でもあると思います。

そして、誰と共演しても、どこか聴いていて上品かつロマンチックに感じる音楽性は、一貫しています。

また、モッズ・ファッションのブランドとして有名なフレッドペリーとのコラボレーションも、オシャレなミュージシャンとしてのイメージを強調しています。
現時点で、2シーズンもコラボレーションしていますので、フレッドペリー側も、まんざらではなかったのでしょう。

その活動を通して感じますのは、マイルズの人徳です。
人柄が良くないと、名高いミュージシャンからアパレル・ブランドまで、喜んで引き受けませんでしょうからね。

Coup De Grace
Miles Kane
Virgin
2018-08-10