実は私は、'60年代から'70年代を中心にフランスで活躍したシンガーソングライター、
フランスソワーズ・アルディ(Francoise Hardy)の歌が好きです。

フランソワーズ・アルディと言えば、日本では、
“ さよならを教えて”(Comment te dire adieu ?)とか
“もう森へなんか行かない” (Ma jeunesse fout le camp… )など、
おしゃれで詩的なフレンチポップスとして知られています。
また、'60年代中頃まで“ELLE”などの有名なファッション誌のモデルとして活動していたことも知られています。

何でロック好きな私が、柄にもなくフランソワーズ・アルディの歌が好きなのだと思っている方が居るかも知れませんが…。
実はアルディの歌声は、アンニュイで不機嫌そうなのですが、その声にハマると、やみつきになるのです。
しかも、ただアンニュイで不機嫌そうな歌声というだけでなく、'60年代中頃から徐々に
、“優しくささやく”ような歌い方に変化していくのです。
その変化と共に、モデル風情のシンガーから吟遊詩人みたいにイメージが変わっていきます。
その変化した“優しくささやく”ような歌を、聴いていると、
『お願いだから、そんな綺麗な声で、ささやかないで!』と思ってしまいます。

そして'60年代の曲だけでなく、'70年代に入ると、
“アルディのおとぎ話”(Soleil)、
“私の詩集 ”(La Question) や
“私小説”(Et si je m'en vais avant toi)という
聴きごたえのあるアルバムの曲を、ソングライティングし、その才能の奥深さを感じさせられます。

そして何と後年、その魅力に惹かれたパンクの帝王、イギー・ポップとデュエットしたCDまで出しているのです。

そんな私は、アルディの歌声に、やみつきになって、その深みから抜け出られなくなっています。
どれだけ好きかと言うと、手に入るCDは全て揃えていて、BOXセットはおろか、中古レコード店で買ったビンテージなアナログ盤まで持っているほどです。
ほとんど全て輸入盤なので、初心者向けのフランス語の文法書と仏和辞典を片手にライナーノーツと格闘している時もありました。

そのアルディ魅力は、歌やソングライティングだけでなく、若き日にはファッション誌でモデルとして活躍する一方、ソルボンヌ大学に通う才媛であったことなど、総合的な魅力であると思います。

そんな訳で21日は、終日フランソワーズ・アルディの歌を聴いて過ごしました。
歌で聴覚的に楽しませて、モデル時代の先進的ファッションで、視覚的にも楽しませてくれるシンガーソングライターは、なかなか居ないと思います。

アルディは、現在でもレコーディングアーティストとして現役として活躍されていますが、最近の顔立ちは、さすがに年齢を感じさせられます。
でも上品に年齢を重ねていて、『校長先生』のような貫禄と知性を感じられるルックスになっていて、私は好感を持っています。
そんな『校長先生』のような見た目になっても、普段はオルタナティブ・ロックを聴いているとのことです。

下の写真は、アルディがモデルをしていた時代の有名なショット。

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