★絵描きの日記

加茂谷正俊のブログです。 絵画を中心に美術やっています。 公募展出展、グループ展や個展などもします。 2010年、2014年、2018年、2022年、富山国際現代美術展に参加。

ウイングス

レッド・ローズ・スピードウェイは美しいメロディーに満ち溢れていると思います

Red Rose Speedway

Wingsの"Red Rose Speedway"を久しぶりに聴きました。
まずは、この時期のポール・マッカートニーのボーカルが、神がかっています。
Wingsは同じ1973年に、"Band On The Run"をリリースしているだけあって、この年Wingsが破竹の勢いの勢いであったことが伺えます。

"Red Rose Speedway"は、"Band On The Run"ほど評価されていませんが、ポールの美しいメロディーに満ち溢れていると思います。
見落とされがちなことは、リンダさんと相棒であるデニー・レインのコーラスのハモリも、Wingsのサウンドを担っています。

代表的な収録曲である"My Love"のレコーディングは、Wingsとオーケストラのライブ一発録りだったことも、ライブにこだわるポールらしいエピソードです。

個人的には、この"Red Rose Speedway"のジャケットも私の好みです。
ジャケット写真のポールのヘアスタイルが格好良いです。





ブリンズレー・シュウォーツ にハマっています

The New Favourites of... Brinsley Schwarz

最近は、英国のパブ・ロックのバンド、ブリンズレー・シュウォーツ (Brinsley Schwarz)にハマっています。
1970年から1975年にかけて活動したバンドで、後年のUKロックの命運を変えたバンドでもあります。

バンドの中心人物は、ベーシストで、殆どの曲をソングライティングしたニック・ロウ。
そしてギタリストで、その名もブリンズレー・シュウォーツさん。
バンドのキャリア途中で、オーディションで加入したリズム・ギターのイアン・ゴムです。

イアン・ゴムもニック・ロウの次に、ブリンズレー・シュウォーツのソングライティングを支えた人物です。
バンドは、ギター2本にベース、ドラム、キーボードという編成です。

バンドは、計6枚のアルバムをリリースしています。
当初、カントリー・ロックを演奏するバンドで、ギターもブリンズレー・シュウォーツさんだけの演奏でした。

しかし、途中でリズム・ギターのイアン・ゴムがオーディションで加入し、徐々に洗練された都会的なパブ・ロックに変貌して行きます。
田舎臭い、カントリー・サウンドから都会的なサウンドは、真逆への変貌です。

そして、3枚目のアルバム、"Silver Pistol"以降は、ニック・ロウとイアン・ゴムは競い合うようにソングライティングしたり、共作したりするようになりました。
それ以降のの4枚のアルバムは、どれも素晴らしいです。

そして、何と1973年のポール・マッカートニー&ウイングスのツアーのオープニング・アクトに抜擢されます。
彼らを選んだポールのセンスも素晴らしいですが、選ばれたブリンズレー・シュウォーツも凄いです。

ポール・マッカートニーは1974年のインタビューで、『ロックは知的になり過ぎてしまった。パブ・ロックのような良いムーブメントが、健全な動きを見せている』と述べています。
そのパブ・ロックとは、間違いなく対バンとして共演した、ブリンズレー・シュウォーツを差すでしょう。

そのポールの予言的なコメント通り、'70年代後半に、パンク・ロックの旋風が吹き荒れ、ニック・ロウは、ダムドをプロデュースし、世界で初めてパンク・ロックのシングルとアルバムをリリースしました。
その他、ニック・ロウは、エルビス・コステロのアルバムを、計5枚プロデュースしました。

イアン・ゴムも、自身が建設したスタジオで、ストラングラーズがレコーディングしています。

脱線しましたが、話をブリンズレー・シュウォーツに戻します。
6枚のアルバムのうち、私が個人的に1番好きなアルバムは、ラストとなった"The New Favourites of... Brinsley Schwarz" です。

ファースト・アルバムから、コツコツと積み重ねたサウンドが、ラスト・アルバムで完成したと感じるからです。
そのサウンドは、初期にカントリー・ロックを演奏していたとは信じ難いほど、洗練されています。
そして、エルビス・コステロは、ブリンズレー・シュウォーツから、多大なる影響を受けたのだと感じてしまいます。

後年、ポール・マッカートニーは、ニック・ロウに縁があるエルビス・コステロと、ソングライティングを共作したりしています。
ポール・マッカートニーは、ウイングス時代にブリンズレー・シュウォーツと共にツアーを巡り、ソロでニック・ロウが長くプロデュースしたエルビス・コステロと共作したりと、この人脈を凄く気に入っている様子です。

'70年代前半のUKロックを、深く聴きますと、パンク・ロックは突然変異で出現したのではなく、ブリンズレー・シュウォーツのようなパブ・ロックが土台を築き、満を持して登場したのだと、感じられます。

New Favourites of
Brinsley Schwarz
Repertoire
2002-11-18

ウイングスとポール・マッカートニー

Wings Greatest

私のロックの趣味はコロコロ変わります。
最新のロックにアンテナが向かったと思うと、古典的なロックに戻ったりします。
特に私は、ロックでも巧みなソングライターの曲を好む傾向です。
私が好きなソングライターは、デーモン・アルバーン、ポール・ウェラーやエルビス・コステロ、ピート・タウンゼントやポール・マッカートニーです。
ちょっと前までは、最新のロックを聴きこんでいましたが、ここ2〜3日はそういった馴染みのソングライターの曲に聴き入ります。

久し振りにポール・マッカートニーが'70年代に率いたバンド、ウイングス(Wings)の曲を聴きました。素晴らしい曲の数々に感嘆させられました。
商業的だとか、ジョン・レノンより軽いとか、ポール・マッカートニーのソングライティングに対し批判もありますが、私は大天才だと思います。

ウイングスの曲でも、"Live And Let Die"、"Junior's Farm"、"Hi Hi Hi"、"Jet"などロックな曲が大好きです。
これらの、'70年代初め頃のウイングスのロックな曲は、当時流行していたグラム・ロックの香りがする点も嬉しい所です。

しかし、ポールはこの時代、バンドの運営は苦手だったようで、バンドのリード・ギタリストとドラマーがコロコロ変わってしまいます。
活動していた8年間、変わらずにバンドに在籍したのは、ポールと元ムーディー・ブルースのデニー・レイン(リズムギター・ボーカル)と、ポールの奥さんのリンダさん(キーボード)の3人だけです。

因みに、現在のポールのバックバンドは、もう13年間も同じメンバーなので、ウイングス時代のポールは、まだまだ若かったのだと納得してしまいます。

また、デニー・レインのソロ・アルバムを聴きますと、ウイングスで聴き覚えがあるギターの音色が鳴っていますので、そのサウンド作りに結構貢献していると感じられます。
そして、素人っぽくて危なっかっしいポールの奥さん、リンダさんのキーボードは、一種のハズしであるであるように感じます。
あまりプロフェッショナルなミュージシャンでガチガチに固めると、堅苦しくなることを、ポールは分かっていたのでしょう。

しかし、ウイングス時代のポールはボーカルに張りがあり絶好調です。
リッケンバッカーのベースもブンブン鳴り、ソングライティングだけでなく、パフォーマーとしても絶好調であったことが伺えます。
'80年代以降や近年のポールしか知らない方が聴いたら、あまりに元気で驚くかも知れません。

Wings Greatest
Wings
Emd/Capitol
1988-08-23


たまたまジェット!

今日は、父が誕生日だったので、一家でフレンチを食べました。
久しぶりに食べたフォアグラの旨さに感嘆しました。
帰りに街中を歩いていたら、どこかの店で、ポール・マッカートニー&ウイングスの“ジェット”が流れていました。
今時、こんな時に、なぜ“ジェット”?
そのシチュエーションは、よく分からなかったですが、『たまたまジェット!』ということで…。
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ジェット!

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ポール・マッカートニー&ウイングス(Paul McCartney & Wings)の“バンド・オン・ザ・ラン デラックス・エディション”を購入しました。
“バンド・オン・ザ・ラン(Band On The Run)”はアナログも含めると4枚になってしまいました。
もはやコレクターですね。
私が、それだけこのアルバムが好きであることなのだと思います。
“バンド・オン・ザ・ラン(Band On The Run)”は、1974年に英国で7週間にわたりチャートの首位を独走したという凄い記録を持ったアルバムです。

このアルバムの良さを一言で言うならば、痛快なロック・アルバムということです。
どの辺が痛快かと言いますと、まずはアートワークですね。
ジャケットではポールと著名人達が囚人服を着て刑務所を脱走している写真で、裏ジャケットは、ポール、リンダ、デニーのウイングスのメンバーのパスポートを模した写真があります。
このアートワークだけで、何か映画のパンフレットを見ているかのように感じてしまいます。
そして、CDを再生するとタイトル曲の“Band On The Run”で逃走中のバンドについて歌い、2曲目で“ジェット(Jet)”という曲になります。
“ジェット(Jet)”は飛行機を連想させます。
(本来はポールが飼っていた犬の名前が由来)
逃走の曲→ジェット機に乗るという流れは痛快じゃありませんか?

特に私は、このアルバムの中で“ジェット(Jet)”が一番好きな曲です。
個人的なことですが、ポールが来日した際に“ジェット(Jet)”をライブで聴いた時は、感激のあまり『もう死んでもいい』と思ったくらいです。
“ジェット(Jet)”は、軽快なロックチューンで、実に良く出来た曲です。
この曲は単純明快な上に非常にキャッチーな曲で、英語が分からない人でも、
“ジェット!フウウ・フウウー・フウウー”と歌えてしまいます。
この辺は英語圏でない国の人でも口ずさめるように考えたのかも知れません。
また、この曲のアレンジは当時、Tレックスやデヴィッド・ボウイをのアルバムをプロデュースして時の人になった、トニー・ヴィスコンティのスコアによる分厚いブラスが被さっています。
そのため、非常に'70年代っぽいグラム・ロック風のサウンドになっています。
歌詞も“Suffragette Jet!”と歌う箇所があり、デヴィッド・ボウイの“Suffragette City”を意識させます。
なぜなら、Suffragetteは婦人参政権論者という意味で、そうそうロックの歌詞には登場しない言葉だからです。
もっとも、この曲は韻を多用した言葉遊びが多く、対訳はあまり意味をなしません。

ポール・マッカートニーは、ロッカーというより、ミュージシャンとしての印象が強い方です。
ビートルズの中でも楽器が一番巧いし、ライブもソツなくこなしています。
ベースだけでなくエレクトリックギター、アコースティックギター、ピアノ、ドラムもこなし、レコーディングの時はプロデュースまでこなしてしまいます。
ポールは音楽に対するソツのなさのため大分誤解受けていますが、
“バンド・オン・ザ・ラン(Band On The Run)”は、そんなミュージシャン・ポールでも実にロックを感じさせる一枚になっています。

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Band on the Run

Band on the Run

バンド・オン・ザ・ラン(Band on the Run)はポール・マッカートニー&ウイングス の最高傑作のアルバムです。
ウイングスとは、ポール・マッカートニーが、ビートルズ解散後に、ライブ活動を目的として組まれたバンドで、ビートルズに匹敵するセールスに成功したバンドです。

ウイングスの基本編成は、ソングライター、ボーカル、ベースの元ビートルズのポール・マッカートニーと奥さんのリンダ・マッカートニーが、キーボードです。
リンダは音楽の趣味が良く、プレーヤーとしてよりも、ウイングスのバンドのコンセプトや方向性、バンド内の人間関係に大きく影響しました。
そしてリズム・ギター担当で、ウイングス当時の音楽上のポールの右腕となったデニー・レインの3人がウイングスの普遍的なラインナップとなりました。
デニー・レインはムーディーブルースの初期メンバーで、彼が作った曲、ゴーナウをヒットさせた実力があります。
他にリードギタリストと、ドラムスのメンバーを入れて5人編成なのですが、このパートはメンバーの入れ替わりが激しくて、メンバーは一定しません。

バンド・オン・ザ・ランは、ギタリストとドラマーが脱退した直後にアフリカのラゴスにて、ポールとリンダ、デニーの3人で録音され、ロンドンでオーバーダビングを施して完成しました。
メンバーが脱退するなど、つくづく、ついてないレコーディングで、仕方なくドラムはポールが叩きました。
また、ラゴス市内で強盗に襲われ、デモテープを奪われました。
でも、それらのアクシデントに対し、ポールは、かなり本気でレコーディングしたようです。
CDを聴いていても、その緊張感は伝わります。

このアルバムが、どんなに名盤かというと、このアルバムのうち、表題曲を含め3曲も、今でもポールのライブで披露しています。
また、1973年に全英、全米共にチャート1位になり、翌年のビルボード年間チャート1位になって、現在でも売れ続けています。
リリースして35年経っても、どんな田舎のCD屋さんでも、ポール・マッカートニーの棚には必ずこのアルバムは置いてありますよ。

※この記事は、2013年11月15日に、投稿当時の原文を損なわない程度に修正を加えました。

Band on the Run (+DVD)
Paul Mccartney
Hear Music
2010-10-28

死ぬのは奴らだ

LIVE AND LET DIE

ポール・マッカートニー&ウイングスの“Live And Let Die”『007/死ぬのは奴らだ』は名曲だと思います。
これは、ビートルズ解散後のポール・マッカートニーが、007シリーズの音楽監督であるジョン・バリーに依頼されて作った曲です。
私が最初に聴いた時は、間奏が大げさ過ぎて失笑しましたが、後で映画を借りて観たら、あのドラマチックな旋律がぴったりで、非常にエキサイトしました。

この曲の特徴は、間奏の旋律がドラマチックなので、ライブ映えする曲です。
実際、ポールは現在のライブでも、この曲は常にライブのハイライトで、演奏中に火薬を焚いて、花火を上げて、観客を興奮の渦に巻き込みます。
私もポールのライブで興奮しました。
曲が終わってピアノの前で大喝采を受けるポールは、ロッカーというより、天才音楽家といった風情です。
あのドラマチックな旋律は『音楽家』でないと作れないでしょう。
ポールはジョン・バリー風をイメージしたのでしょうが、歴代の007のテーマ曲で、ベストな1曲だと思います。

また、この曲はガンズ・アンド・ローゼズにもカバーされ、やはりライブのハイライトとして演奏されています。
楽曲が完璧なせいか、ガンズ・アンド・ローゼズも原曲と忠実にカバーしています。

この曲は、テレビのバラエティー番組のジングルとしても大活躍で、何か一大事が起こった時に、あのドラマチックな旋律が使われます。
『サンデージャポン』なんかでは頻繁に使われていますね(笑)

“死ぬのは奴らだ”は、フルオーケストラでレコーディングされたオリジナル・バージョンも良いのですが、ポールのライブ盤やDVDで聴くのが一番正しい聴き方でしょう。

※この記事は2016年1月14日に、投稿当時の文章を損なわい程度に編集致しました。
上の写真は下のポール・マッカートニー・アンソロジーで、ご覧になれます。

ポール・マッカートニー・アンソロジー 1970-2005 [DVD]
ポール・マッカートニー
WARNER MUSIC JAPAN(WP)(D)
2007-11-14

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