Teenage Depression

最近、『今、どんなCDにハマっていますか?』と聞かれて、答えに窮しました。
何せ、『エディ&ザ・ホット・ロッズにハマってますよ』と答えたら、『何ですかそれ?』と言われそうだからです。
ロックファンを自認する人でも、エディ&ザ・ホット・ロッズを知っている人は少ないでしょう。

この、こめかみに銃を向けている、無茶苦茶危険な香りのするジャケットは、エディー&ザ・ホット・ロッズのファーストアルバム、"Teenage Depression"です。
また、ボーナストラックとして、同時期にリリースしたEP、“Live At The Marquee”からの音源も収録されています。

バンドそのものの音は、そのバンド名のように、軽快なエンジン音のような音を出すバンドです。
それも、シンプルなロックンロールです。

注目すべきは、このアルバムのリリースが1976年10月である事です。
ダムドのファーストアルバムより4ヶ月早く、セックス・ピストルズのアルバムより1年も早いのです。
エディ&ザ・ホット・ロッズは、厳密にはパンクではありませんが、シンプルなロックンロールというスタイルでは、パンクに近い音楽性を持っています。

ダムドと言えば、ダムドのファーストアルバムに間違って、エディ&ザ・ホット・ロッズのメンバーの写真をプリントされるという、レーベル側の作戦に駆り出されています。
後にエディー&ザ・ホット・ロッズのメンバーがダムドに移ったりしているので、この2つのバンドは仲が良かったのでしょう。

このアルバムを聴いて、個人的に好感を持ったのはThe Whoの“The Kids Are Alright”をカバーしている事です。
The Whoのファンとしては嬉しい限りですし原曲より、はつらつとした演奏を聴かせてくれます。
また、ゼムの曲で、パティースミスもカバーした“Gloria”もカバーしています。
このような曲をカバーをするなど、基本的にロックンロールバンドであって、アンチ・ロック的なパンクとは、そのアティチュードが違いますが、パンクよりも早く時代の空気を読み取った先見性は素晴らしいと思います。

この記事は、投稿当時の原文を損なわない程度に2016年10月15日に修正を致しました。

Teenage Depression
Eddie & The Hot Rods
Captain Oi!
2000-04-04