ザ・ベスト・オブ・レディオヘッド

最近、レディオヘッドのベスト盤が出たので聴いてみた所、凄い才能のある人達であると再確認致しました。
実は殆ど知っている曲なので、わざわざ買う必要はないのですがね…。

レディオヘッドは、アルバム単位でコンセプチュアルに曲を仕上げる傾向にあるのですが、ベスト盤として、アルバムというコンセプトから切り離して曲を聴くと、非常に美しいメロディーを持った曲である事が分かりました。
レディオヘッドってこんなにメロウなバンドだったかなぁと思う位です。

収録曲30曲をアルバム別に分類すると、パブロハニー2曲、ザ・ベンズ6曲、OKコンピューター6曲、キッドA4曲、アムニージアック3曲、ヘイル・トウ・ザシーフ3曲、その他2曲で、収録曲の半分以上が、ザ・ベンズと、OKコンピューターで構成されている事が分かります。

ザ・ベンズと、OKコンピューターは、'95年〜'97年に渡ってリリースされたアルバムですが、まさに'90年代後半におけるビートルズのような役割を果たしていたのだと思います。

しかし恥ずかしながら私自身、リアルタイムではOKコンピューターの良さが理解出来ず、その良さが分かるまで3年かかりました。
それは時代背景として、'90年代中頃まではパンク調の曲が、もてはやされ、OKコンピューターのようなプログレ調の曲は忌み嫌われていた時代だったからです。

因みに、日本では、同時期にハイスタがブレイクしていた所からもそれが窺えます。
当時はプログレ=オタクの音楽という認識が広まっていて、OKコンピューターは、そのタブーを踏んだかのようにみえたのです。

もちろんOKコンピューターは、本格的なプログレというより、“プチプログレ”といった趣の程度ですが、よほどのロック産業の中でプログレ・アレルギーが蔓延していたのだと思います。
プログレッシブ・ロックの大御所であるキング・クリムゾンも'90年代半ばまで活動が休止していたので、無理もありません。

そんな私も、レディオヘッドのライブに何度も足を運ぶようなファンになってしまいました。
今回のベスト盤で、新たな発見をしてまた更に好きになりました。
本当に味わえば味わう程、その良さが分かるスルメのようなバンドです。

このベスト盤の30曲の中で、好きな曲を3曲選ぶとすれば、次の3曲になります。
”パラノイド・アンドロイド”(OKコンピューター収録)、ライブで大盛り上がりの1曲です。
”クリープ”(パブロハニー収録)、不朽の名曲で、もはやスタンダードナンバーの領域です。
”イディオテック”(キッドA収録)ライブのハイライトとして演奏され、ボーカルのトム・ヨークが倒れていまわないかと心配になる程、踊り狂う1曲です。
やはり、私の趣味だとライブ映えする曲が多くなりますね。

※この記事は、2017年12月29日に、投稿当時の原文を損なわない程度に編集致しました。

ザ・ベスト・オブ(1CDエディション)
レディオヘッド
EMI MUSIC JAPAN(TO)(M)
2008-05-28