★絵描きの日記

加茂谷正俊のブログです。 絵画を中心に美術やっています。 公募展出展、グループ展や個展などもします。 2010年、2014年、2018年、2022年、富山国際現代美術展に参加。

ザ・ラスト・シャドウ・パペッツ

エレガント!

The Dream Synopsis EP

The Last Shadow Puppetsの"The Dream Synopsis EP" を聴きました。
レコーディングは、スタジオ・ライブの形式でラフに録音されています。
全6曲で、アレックス・ターナーのボーカル3曲に、マイルズ・ケインのボーカル3曲と、ちょうど良く振り分けられていて、The Last Shadow Puppetsは、改めてアレックスとマイルズ2人の民主的なユニットなのだと認識させられます。

マイルズがボーカルの"Aviation"と、アレックスがボーカルの"The Dream Synopsis"は、ラフなスタジオ・ライブで再録されています。

他の4曲は全てカヴァーであることも、このEPを特色付けています。
カヴァーの収録曲は、 以下の通りです。
( )内はカヴァーしたアーティストです。

"Les Cactus" (ジャック・デュトロン) ボーカルはアレックス。
"Totally Wired" (ザ・フォール) ボーカルはマイルズ。
"This Is Your Life" (グラクソ・ベイビーズ) ボーカルはマイルズ
"Is This What You Wanted" (レナード・コーエン) ボーカルはアレックス。

全6曲聴きますと、和気あいあいとした空気感が伝わって来ます。
まるでThe Last Shadow Puppetsと、そのツアー・メンバー達の、お茶の時間に呼んで頂いたような気分にさせられます。
2016年のツアーにも同行した、ストリングスの音色も、そのエレガントさを強調しています。
"The Dream Synopsis EP"は、紅茶を飲みながら聴くのが良いかも知れません。

アレックスのキーが低くて力強いボーカルと、マイルズのUKロックを継承するようなレイ・ディヴィス風のボーカルは、好みが別れるかと思います。
それは2人のファッションにも表れていて、アレックスはジャケット写真で素肌の上にジレを着てサングラスをかけて、マッチョな印象です。
対するマイルズは、エレガントなシャツを着ていますが、アレックスより一歩後ろに下がって、控えめに撮影されています。

でもアレックスは、『以前は、こんなにマッチョなキャラだったかな?』と思ってしまいます。
マイルズは、大スターであるアレックスの陰に隠れているポジションが気に入っているようにも感じられます。
本当の2人の性格は分かりませんが、ジャケット写真からは、そんな人柄も連想してしまいます。

The Dream Synopsis Ep
Last Shadow Puppets
Domino
2016-12-09

『濃い!』内容のアルバム

Everything You’ve Come To Expect

マイルズ・ケインの大ファンである私。
そんなマイルズの新作は、今年の4月1日にリリースされたアークティック・モンキーズの
アレックス・ターナーとのユニット、ラスト・シャドウ・パペッツ (The Last Shadow Puppets) の"Everything You’ve Come To Expect"です。
ラスト・シャドウ・パペッツとしては、前作の"The Age Of The Understatement"以来、8年振りのアルバムです。

このアルバムは、何度も聴き込むとスルメのように、その良さが味わえるアルバムです。
なので私も、やっと"Everything You’ve Come To Expect"について書こうかと思います。

今回は、前作と違って2人共に、この8年間で本当に大物になりました。
前は、新進気鋭の若手2人のアルバムでしたが、アレックス・ターナーのアークティック・モンキーズは、スタジアム級のバンドになりました。
一方、マイルズ・ケインはソロでブレイクして、そのファッションやルックスからUKロック界の貴公子になりました。

なので、成長した2人がとにかく『濃い!』内容のアルバムとなっています。
前作では、2人がハモる曲が多かったですが、今回は曲によって2人それぞれが、メイン・ボーカルを取るというスタイルを取っています。
面白いのは、アレックスがボーカルを取る時は、マイルズがギターを弾いて、マイルズがボーカルを取る時はアレックスがギターを弾くというパターンが多いように思います。

ただ、全体的にオーケストラを入れて'60年代風ムード・ミュージックに仕上げている所は、前作のラスト・シャドウ・パペッツとしての作風を継承しています。

ジャケットは前作も'60年代の写真を使用していますが、あまり知名度が高くないモデルさんを写した写真を使用していましたが、今回は'60年代に撮られた踊っているティナ・ターナーの写真を使用しています。
肖像権使用料もありますので、2人が本当に大物になったのだなと感じました。

Everything Youve Come To Expect
Last Shadow Puppets
UNIVERSAL MUSIC
2016-04-01


The Last Shadow Puppets

The Last Shadow Puppets

今日で3日目となる新譜の話です。
ブログの内容が、まるで音楽雑誌と化しています。
この、お姉さんが、ストッキングを摘んでいる悩ましげなジャケットのCDは、ザ・ラスト・シャドウ・パペッツ(The Last Shadow Puppets)の『ジ・エイジ・オブ・ジ・アンダーステイトメント(The Age Of The Understatement)と言います。

何かグループ名もアルバムのタイトルも覚えにくいのですが、このザ・ラスト・シャドウ・パペッツは、アークティック・モンキーズの中心メンバー、アレックス・ターナー と、ラスカルズのマイルズ・ケインのコラボレーション作品です。
分かりやすく言うと、イギリスで、今一番売れている若手バンドのメンバーによるサイドプロジェクトです。
ジャケットの、悩ましげなお姉さんが、歌っているのではないので、悪しからず。

このCDを聴いて思ったのは、ジャケットのデザインを含め、60年代後半っぽい雰囲気がある事です。オーケストラをオーバーダビングして、甘ーい感じに仕上がっています。
スウィートな感じのCDと申しましょうか?
パニック・アット・ザ・ディスコと言い、最近は60年代後半な感じのサウンドが流行りなのでしょうか?
そういえば、最近の髪型も、60年代っぽい重ためのヘアスタイルが流行りです。
何事も物事はシンクロするものです。

このアルバムは、時々アークティック・モンキーズ風のメロディーが登場しますが、オーケストラの甘い響きが、そのイメージを払拭します。
やっぱりアレックスもイギリス人だったんだなぁと納得します。

でも、このアルバムが出たお陰で、アークティック・モンキーズのバンドとしてのコンセプトが、はっきりしますし、アレックスの才能の凄まじさを感じます。
このアルバムは、ソファーに座って、ミルクティーを飲みながら聴くのが正しい姿だと思います。
実は、私はアークティック・モンキーズの2枚のアルバムより、このアルバム の方が好きなんですよ。

The Age of The Understatement
The Last Shadow Puppets
Domino / Hostess
2008-04-22

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