The Last Shadow Puppetsの"The Dream Synopsis EP" を聴きました。
レコーディングは、スタジオ・ライブの形式でラフに録音されています。
全6曲で、アレックス・ターナーのボーカル3曲に、マイルズ・ケインのボーカル3曲と、ちょうど良く振り分けられていて、The Last Shadow Puppetsは、改めてアレックスとマイルズ2人の民主的なユニットなのだと認識させられます。
マイルズがボーカルの"Aviation"と、アレックスがボーカルの"The Dream Synopsis"は、ラフなスタジオ・ライブで再録されています。
他の4曲は全てカヴァーであることも、このEPを特色付けています。
カヴァーの収録曲は、 以下の通りです。
( )内はカヴァーしたアーティストです。
"Les Cactus" (ジャック・デュトロン) ボーカルはアレックス。
"Totally Wired" (ザ・フォール) ボーカルはマイルズ。
"This Is Your Life" (グラクソ・ベイビーズ) ボーカルはマイルズ
"Is This What You Wanted" (レナード・コーエン) ボーカルはアレックス。
全6曲聴きますと、和気あいあいとした空気感が伝わって来ます。
まるでThe Last Shadow Puppetsと、そのツアー・メンバー達の、お茶の時間に呼んで頂いたような気分にさせられます。
2016年のツアーにも同行した、ストリングスの音色も、そのエレガントさを強調しています。
"The Dream Synopsis EP"は、紅茶を飲みながら聴くのが良いかも知れません。
アレックスのキーが低くて力強いボーカルと、マイルズのUKロックを継承するようなレイ・ディヴィス風のボーカルは、好みが別れるかと思います。
それは2人のファッションにも表れていて、アレックスはジャケット写真で素肌の上にジレを着てサングラスをかけて、マッチョな印象です。
対するマイルズは、エレガントなシャツを着ていますが、アレックスより一歩後ろに下がって、控えめに撮影されています。
でもアレックスは、『以前は、こんなにマッチョなキャラだったかな?』と思ってしまいます。
マイルズは、大スターであるアレックスの陰に隠れているポジションが気に入っているようにも感じられます。
本当の2人の性格は分かりませんが、ジャケット写真からは、そんな人柄も連想してしまいます。