
ザ・ポリスのドラマー、スチュワート・コープランドが撮影・編集・監督した映画“Everyone Stares/The Police Inside Out”を観ました。
これは、ザ・ポリスのスチュワート・コープランドが、バンドの初期の頃から、数年後に世界的ロックスターになって、身動きが取れなくなって解散するまでを描いています。
これを観る限り、スチュワート・コープランドは、ザ・ポリスの活動中は、いつもカメラを持って行動していた事になります。
ライブ中でも、ドラムキットの脇に、スタンドでカメラを固定して撮影している程です。
それを21世紀になった今頃になって、編集して映画にしてしまうなんて、スチュワートは無造作過ぎますが、それが"Everyone Stares/The Police Inside Out”の魅力だと思います。
この映画は、後半になって人気が出れば出る程、行動が制限されて虚しくなって破綻する様が描かれています。
ロックスターの生活や日常なんて、一般大衆には想像出来ませんが、この映画は淡々と、それを映し出しています。
映画では、スチュワートが撮影した映像に、彼自身のナレーションが入ります。
そのナレーションが素朴で味わいがあります。
現実のロックスターの実態は、ツアーとレコーディングの連続で、ウンザリした生活である事が良く分かります。
個人的に興味深い場面は、日本で表参道を歩いている場面で、『日本人は贈り物と玩具が好きだ。特にバレンタインだから』というナレーションが入る所です。
また、バンドの後期に、スティングのベースの音が、どことなく寂しげに聴こえる所も興味深いです。
スティングが多忙のあまり曲を書く余裕がなくなる様子も描かれています。
理想と現実、ギャップがある事は誰も分かっているとは思いますが、ロックバンドの仕事を見せつけられると本当に、『ご苦労さん』と声をかけたくなってしまいます。
※この記事は、2017年2月17日に投稿当時の原文を損なわない程度に、修正致しました。