デビッド・ボウイ氏が他界してから、今までマンションの物置に置きっ放しだったボウイのCDをiTunesにインポートして聴き直し、聴き込みました。
一応、1964年のシングル、"Liza Jane"から1979年のアルバム"Lodger"まで全て完了しました。
本当に多作な方で、'60年代だけでも結構、音源があります。
そして、全盛期である'70年代のアーティスティックな作品群は本当に素晴らしいと思いました。
とりあえず、ボウイの作品を聴き直すことは、ひと段落させようかと思います。
'80年代と'90年代もありますが、とりあえず全盛期までということで…。
'60年代半ば頃のボウイは時代を反映していて、モッズ・ファッションを着て、サウンドもキンクスやThe Whoやスモール・フェイセスのようなモッズ・バンドのような曲をリリースしていました。
しかし、鳴かず飛ばずでレコード会社から契約を切られたり、バンドの解散の繰り返しでした。
この時期、バンドは2年間で、Davie Jones with the King Bees、The Manish Boys、
David Bowie with The Lower Third、The Buzzと4回もバンドの結成と解散を繰り返しています。
当然の如く、シングルは全てチャートに入りませんでした。
実は私、モッドな時代のボウイの曲も大好きです。
なぜなら、この手の音楽そのものが私の好みだからです。
それらの曲はこのCDで堪能できます。
ボウイが最初に出したシングル"Liza Jane"では、ボウイがサックスを演奏しています。
2枚目の"I Pity the Fool"では、当時の売れっ子スタジオ・ミュージシャンだったジミー・ペイジがギターを弾いています。
3枚目の"You've Got a Habit of Leaving"から、ボウイのオリジナル曲になって行きます。
この手の音楽が好きな私が、なぜシングルが売れなかったのか考えてみました。
それが、以下の3点です。
1.同時期のキンクスやThe Whoのような"毒気"がなかったこと。
キンクスは、曲そのものが"毒気"でありますし、The Whoのような破壊的になり切れていなかったようです。
ボウイに"毒気"が加わったのは'60年代後半に入ってからだと思います。
2.ソングライティングが発展途上であったこと。
これは非常に大きいことです。
3.バンドに、後世に名を残す名プレイヤーが居なかったこと。
キンクスはギタリストのデイヴ・デイビスが有名ですし、The Whoは全員が名プレイヤーですし、スモール・フェイセスのスティーブ・マリオットはソウルフルな名ボーカリストです。
そんなこんなで、この時代のシングルは鳴かず飛ばずでしたが、私は大好きです。
モッドなボウイの曲が…。