★絵描きの日記

加茂谷正俊のブログです。 絵画を中心に美術やっています。 公募展出展、グループ展や個展などもします。 2010年、2014年、2018年、2022年、富山国際現代美術展に参加。

ピノ・パラディーノ

ジョン・メイヤー・トリオは21世紀のクリーム!

Try: John Mayer Trio Live in Concert

ジョン・メイヤーとは、言わずもがな知れた名ギタリストです。
そして、ジョン・メイヤーと、ドラマー兼レコーディングプロデューサーのスティーヴ・ジョーダン、ベーシストのピノ・パラディーノの3ピースで組まれたバンドが、ジョン・メイヤー・トリオです。

まず、ジョン・メイヤーのギターとボーカルにシンクロさせたスティーヴ・ジョーダンのドラムが素晴らしいです。
そして、ジョン・メイヤーのギターを追いかけるようにプレイするピノ・パラディーノのベースも素晴らしいです。

まさにジョン・メイヤーが台風の目のように演奏されたロックが、ジョン・メイヤー・トリオの特徴と言えましょう!
もはや21世紀のクリームと言っても過言でないかと思います。

しかし、アルバムは2005年のライブ盤、"Try"の1枚だけなのが残念です。




ザック・スターキーとピノ・パラディーノが創り出すリズム

Live In Hyde Park

ドラマーのキース・ムーンと、ベーシストのジョン・エントウィッスルの亡き後、ロック・レジェンドとなったThe Whoのライブには、欠かせないメンバーがいます。
それは、ドラマーのザック・スターキーとベーシストの存在です。

もともと、The Whoの演奏はキース・ムーンとジョン・エントウィッスルのプレイが評判のバンドでした。
The Whoのライブはキース・ムーンがリード・ドラマーで、ジョン・エントウィッスルがリード・ベーシストという通常のロックバンドとは違う魅力があるバンドでした。
しかも、ギターのピート・タウンゼントは、リード・ギタリストで、ボーカリストのロジャー・ダルトリーはリード・ボーカリストという具合に、バンドの全員がライブの主導権を握とうと喧嘩をしているかのような演奏がライブが素晴らしかったのです。
こちらの動画が、全盛期のオリジナルメンバーによる"Baba O'Riley"の演奏です。

しかし、今はキース・ムーンとジョン・エントウィッスルも居ません。
The Whoのリズム隊を支えているのは、ザック・スターキーとピノパラディーノです。

ザック・スターキーのドラムの魅力は、時に父親のリンゴ・スターの遺伝子を感じるドラムサウンドと、ドラムをレクチャーしたキース・ムーンの影響を多大に受けていることです。
後期のオアシスの2枚のアルバムの完成度は、ザック・スターキーのドラムの貢献が大きいと思います。

ピノ・パラディーノのベースの魅力は、美しいベース・サウンドに尽きると思います。
'80年代は、スタジオ・ミュージシャンとして注目され、ロック・マニアからは、ジョン・メイヤー・トリオのベーシストとしても知られています。
ジョン・エントウィッスルのような、"リード・ベーシスト"という派手さはないですが、その美しくてメロディアスなベースで、独自のグルーヴを生み出す名ベーシストです。

そんなザック・スターキーとピノ・パラディーノが生み出すリズムは、ザックのラウドなドラムを下支えしてピノ・パラディーノはグルーヴィーに弾くことに専念しています。
そして、その2人がライブで披露した" Baba O'Riley"です。



"Who"は2019年という時代を反映したロックアルバムだと思います

The Who

12月7日、The Whoのニューアルバム、"Who"がリリースされました。
The Whoの新しいアルバムがレコーディングされるのかどうか、ボーカリストのロジャー・ダルトリーであっても予想が付きません。
ソングライターでギタリストのピート・タウンゼントが、新曲を書かないと、事が進まないからです。

2006年にリリースされた前アルバム、"Endless Wire"から13年間の間にロジャーは、70歳を過ぎてから、どんどんアーティスト性を高めました。
ウィルコ・ジョンソンとコラボレーションした2014年の"Going Back Home"はUK3位という記録を収め、2018年にリリースしたソロアルバム、"As Long as I Have You"はUK8位に達しました。
そのようなロジャーの活動を見て、ピートは少なからず触発は受けているかと思われます。

"Who"ですが、バンドの相棒のロジャーであっても、予想が付かないピートの創作活動の中で突如、The Whoのアルバム用に曲を大量に書いて来たことでレコーディングが進みました
事前にアルバムのリリース前に、既に冒頭の3曲がリリース済みだったので、私の中にすんなりと入って来ました。

前アルバム、"Endless Wire"にと比べて大きく違いますのは、ドラムのザック・スターキーがドラムを叩いている曲が多いことです。
("Endless Wire"の頃は、ザックはオアシスの活動にかかり切りで、1曲しか参加せず)
なので、いつものツアーのメンバーであるザック・スターキーと、ベースのピノ・パラディーノのグルーヴを堪能出来ることです。
これまでライブ盤で聴いていたグルーヴが、スタジオ盤でクリアに聴くことが出来ます。

そして、アルバムの特徴としましては、ソングライター・ギタリストのピート・タウンゼントの曲が粒ぞろいであることです。
ピートが得意とするロック・オペラな曲は、1曲もなく、どの曲もシャッフルで再生したとしても『完成型』であることです。
それは、ストリーミング配信を念頭においたことかと思われます。

近年アーティスティックな活動をするロジャーのボーカルは、まるで黒人ブルース・シンガーがような渋い声を出したり、曲によっては年齢を感じさせない高いキーで歌っていたりと、しなやかなボーカルを披露しています。

総括致しますと、"Who"は2019年という時代を反映したロックアルバムだと思います。
決して、過去の”懐かしい芸風”を再現せず、現代のThe Whoのツアー・メンバーのサウンドを披露し、時代を反映したピートが書いたLylicsも刺激的です。
そして、当世風の凝ったサウンド・メイキングも特筆すべきことだと思います。




しっかりと聴きました!

The Who

The Whoの新曲、"Ball And Chain"が、早くもSpotifyで配信されていましたので、本格的オーディオ機器で再生してみました。
本格的オーディオ機器とは、『しっかりとしたアンプで、大きめのスピーカーで再生する』ことを指します。

まずは、スマートフォンをアンプとベアリングして、いざSpotifyで再生です!
既に配信が始まる前に、YouTubeで"Ball And Chain"を聴いていましたが、どうなることか…。

本格的なオーディオ機器で再生してみましたところ、パソコンやスマートフォンでは目立たなかった、ピノ・パラディーノのベースが、美しいフレーズを弾いていることに気付きました。
ピノ・パラディーノのプレイは、必聴です。

順序が逆になってしまいましたが、"Ball And Chain"の感想は、イントロ部分から既にソングライターのピート・タウンゼント節が炸裂です。
そして、ボーカルのロジャー・ダルトリーは円熟味を増し、黒人ブルース・シンガーのように歌い上げています。

加えて、ザック・スターキーのドラムは、期待通りの力強いドラミングを披露していますが、ライブと勝手が違う新曲のため、キース・ムーンの"お手本"がなく、そのリズムのノリは後期のオアシスを連想するものとなっています。

オアシスと言えば、プロデューサーのデイブ・サーディーは、後期のオアシスの2枚のアルバムをプロデュースし、ザックとは旧知の間柄です。
ザックが、オアシス時代のノリで叩いてもも不思議ではありません。

11月22日にリリースされるアルバム"Who"が楽しみです。
個人的には私が尊敬する英国のアーティスト、ピーター・ブレイクのアートワークにも惹かれています。
これは私、ヴァイナイルは必ず購入することでしょう!



WHO
The Who
Interscope Records
2019-11-22

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『シャキーンとした猫』
2019年

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