渋谷のBunkamuraで開催中の『青春のロシア・アヴァンギャルド』で、取り上げられたアーティストで、印象に残ったのはピロスマニです。
私も放浪の画家になりかけていますが、ピロスマニは、正真正銘の放浪の画家です。
グルジアで、住居を持たずに放浪し、看板やや壁面、油絵の注文を受けて、描ける所が住みかとなりました。
『青春のロシア・アヴァンギャルド』展で、私が気に入ったのは、この写真の、『雌鹿』です。
これは、ほとんどバンビですね。この絵を観て分かる通り、動物の表現が秀逸であったことが分かります。
また、その絵は独学のためか、デッサンに狂いがあるようですが、そこにまた味わいがあります。
要は描く人の気合い、気迫の問題のような気がします。日本の美術教育が、デッサン力を付けることに主眼が置かれているのに、ピロスマニのような芸術家を排出出来ないのは、何か構造的欠陥があるのではないかと思ってしまいます。
その人生は、映画『ピロスマニ』で描かれたり、加藤登紀子さんが歌った『百万本のバラ』の歌のモデルになるなど、多くの人から愛されています。