
近頃、音楽を聴く時は、ボーカリストの声に癒されている私です。
ラップも大好きですが、やはり歌も良いと感じている今日この頃です。
2010年代の音楽のキーワードは、 女性ボーカル、SSW、EDMに尽きると思います。
そのキーワードに当てはまる女性ボーカルのSSWのパイオニアは、フランソワーズ・アルディだと思います。
フランソワーズ・アルディが、18歳のソルボンヌ大学の学生だった1962年の初頭に、自作曲の"Tous Les Garcons Et Les Filles"をヒットチャートに送っていました。
英国で、ビートルズが、英国でブレイクする少し前の話です。
初期のアルディさんのボーカルは、どこか不機嫌そうです。
'60年代の後半になりますと、ハイトーンで繊細なボーカルにスタイルが変わりますが、最初の数年間は、不機嫌でぶっきらぼうな印象を与えます。
でも、それは若き日のアルディさんの、反発心や攻撃性の反映だと私は思っています。
元はエルビスのような反体制のロックを聴いて、音楽を志したプロフィールがあるからです。
当時の戦前生まれの大人世代が支配していた社会に対し、若い女の子の精一杯の抵抗のように聴こえます。
当時の大人世代には、生意気な小娘に見えたことでしょう。
遊園地の船のアトラクション(バイキング)で、リップシンクをする、"Tous Les Garcons Et Les Filles"のMVは、とても撮影が大変だったと思います。
通常であれば前後に強い重力がかかって、悲鳴が上がっていまい、すまし顔で歌ってはいられないアトラクションだと思います。
もちろん、何度もリハーサルしたのだと思いますが、凄く肝が座った18歳の女の子だと思います。
あとは、どうやってリップシンクさせたのかも不思議です。
恐らく、遊園地のスピーカーで曲を流して撮影したのかと思われますが、バイキングに乗りながらでは、風切り音でズレずに曲を聴き取ることも大変だったと思います。
映像を、よく見ますと、バイキングの船上では、先頭と中程と立ち位置が変わっていますので、実際のMVに使用した映像は2テイクであるようです。
いずれにせよ、フランソワーズ・アルディは、知的にも、才能でも、度胸も座った女の子であったことを伺わせるMVであると思います。