★絵描きの日記

加茂谷正俊のブログです。 絵画を中心に美術やっています。 公募展出展、グループ展や個展などもします。 2010年、2014年、2018年、2022年、富山国際現代美術展に参加。

ブッシュ

小泉構造改革の時代

現在、日本郵政の西川社長が辞任するなど、小泉構造改革の揺り戻しが起こっています。
もはや郵政選挙は、過去の遺物となってしまった感があります。
だから、そろそろ小泉構造改革や郵政選挙の歴史的検証が必要となってきていると思います。
国民的人気があった小泉純一郎元総理大臣。
しかし、国民的人気とうらはらに、その政策は決して国民的が望んでいたものではありませんでした。
現在でも、小泉純一郎元総理大臣の在任当時の答弁がテレビで放送されると、そのカリスマ性に感心させられます。
日本では、こういったタイプの政治家は珍しいと思います。
では、そのカリスマ性はどこから由来するのでしょうか?
まず、声や話し方が非常に明瞭で分かりやすい点です。
他の総理大臣は、発声がしっかりしてませんが、小泉純一郎さんは舞台俳優のような強い発声をしていると思います。
そしてもうひとつは、何でも簡潔明瞭に短く断言することです。
失われた10年を経験した日本人達は、将来に対する不安感を抱いていましたが、小泉純一郎さんみたいに断言、断定されると、『この方について行けば、大丈夫かもしれない』と感じられたのでしょう。
そして、3つ目はその時代性です。
小泉純一郎さんが在任当時は、近年でもまれなアメリカ一辺倒の時代です。
グローバル化、イコール、アメリカ化とされた時代です。
リーマン・ショックとBRICSの台頭で、現在では時代が変わってしまいましたが…。
やはり小泉さんには、当時のブッシュ前大統領の影がちらつきます。
思えば、'00年代前半は、“強いアメリカ”が強調された、どこかマッチョな時代だったと思います。
社会不安と、強いアメリカに傾倒した、何でも言い切る政治家…、これが小泉構造改革の時代だったのだと思います。

ゴア氏とブッシュ前大統領

北朝鮮の朝鮮中央通信が、3月に拘束した米国人女性記者2人を4日に裁判にかけると伝える中で、2人の釈放交渉のためにゴア元米副大統領が北朝鮮に派遣されるのではとの観測が出ていると、報じられています。

アル・ゴア氏と言えば、ドキュメンタリー映画『不都合な真実』で有名になりましたが、私は、2000年の大統領選でジョージ・ウォーカー・ブッシュと争い、敗北した記憶が強く感じられます。
それは、“史上最悪”と呼ばれた、ブッシュ前大統領が、なぜ当選し、なぜノーベル平和賞を後に受賞したゴア氏が落選したのかと考え込んでしまうからです。
もし、ゴア氏が大統領に当選していたら、アメリカだけでなく世界の命運が変わっていたのではないかと思います。

同時多発テロにイラク戦争、そしてリーマンショックがブッシュ前大統領の負の遺産です。
もし、ゴア氏が大統領になっていたら、それらの出来事が起こらなかったか、誰にも分かりません。
でも、湾岸戦争の当事者、パパ・ブッシュことジョージ・H・W・ブッシュの息子が大統領になったことで、イスラム原理主義者の神経を逆立てて、同時多発テロが起こったのはないかと、考えてしまいます。
つまり、『ブッシュが大統領になったから、同時多発テロが起こった』のではないかということです。

イスラム原理主義者の感情もあると思いますが、湾岸戦争の時にイラクがクェートの侵攻した時、アメリカ政府はその情報を事前に察知していて、それをわざと見過ごしてイラクと戦争をする口実にしていました。
そして、同時多発テロも、アメリカは事前に情報を察知していましたが、それを見過ごしてイラク戦争の口実にしました。
もっとも、同時多発テロは、アメリカ政府の予想以上の被害だったでしょうが…。
親子のブッシュのその政治手法にはうんざりさせられます。
結局は、原油の権利が欲しいだけではなかったのかと考えてしまいます。

ブッシュ前大統領の政権では、『テロ支援国家でも油が出ない所は興味なし』という印象を受けました。
現在、北朝鮮情勢に世界が翻弄させられているのは、ブッシュ前大統領の時代にきちんとした対応をしていなかったからだと思います。

汝の敵を…

ブッシュ大統領が最後の演説をし、テロとの戦争を正当性を主張しました。
ブッシュ大統領が主張する『テロとの戦争』の危うさは、良く分かりますが、冷戦終結で冷え込む軍需産業に配慮し、新たな『テロとの戦争』の需要を生み出したようにも見えます。
まさに、軍需産業に依存する病んだ国、アメリカという感じですかね。
アメリカにとって、軍需産業は、日本で言う箱物や道路のような公共事業なのでしょう。
そんなブッシュ大統領の支持母体がキリスト教福音派なのだから、話はややこしいです。
軍需産業と言えば聞こえは良いですが、兵器は人を殺す道具ですから…。

キリスト教では、『汝の敵を愛せよ』という教義ではなかったんでしょうか?

ブッシュ政権を振り返って

8年間、2期に渡るブッシュ政権を振り返ると私は、『もうこりごりだ、勘弁してくれ』と思ってしまいます。
振り返ると、在任中に2度もの戦争をしていて、常に戦争をしている印象がありました。
同時多発テロに起因するアフガニスタン侵攻はまだしも、イラク戦争は、大量破壊兵器もみつからず、何のためにしたのか、はっきりしません。
同時多発テロも、イラン・イラク戦争における父ブッシュに対する仇打ちのように見えなくもありません。
すなわち、息子のブッシュが大統領になったから同時多発テロが発生したようにも思えなくもないのです。
もし、1期目の選挙で民主党のアル・ゴア候補が当選していたら、世の中が変わっていたのか考えてしまいます。
選挙戦で、かなり僅差でブッシュが大統領に当選しただけに、余計にそういった事を考えてしまいます。
また、その後アル・ゴア氏の名声が高まった事で複雑な心境になります。
だから、2期目の選挙で都市部のリベラル層のブッシュ離れもあったにも拘わらす、再選したことに驚きました。
そこから見える事実は、アメリカの都市部のリベラル層は、比較的経済的に安定していて高学歴な層と、地方の生活に困窮している層との対立軸です。
戦争は政治的モラルとして、やってはいけない事であると、誰もが思いますが、雇用や需要の拡大につながります。
アメリカの地方で、大学にも行かず、工場で働く労働者には政治的モラルやリベラルよりも、その日の需要や仕事が重要であったのでしょう。
それを考えると、アメリカで軍需産業に携わる層が、想像以上に多い事が窺われます。
だから、アメリカの凋落は、ブッシュ大統領就任前年の2000年のITバブルの崩壊からスタートし、戦争による軍需産業と、ザブプライムローンで、一時的にごまかしていたとも考えられます。
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