
最近、また加藤和彦さんのCD をよく聴くようになりました。
やはり興味深いのはフォーク・クルセダーズからサディスティック・ミカ・バンドの辺りの流れでしょうか?
加藤和彦さんは、か細くケロケロした歌声なので、ロック好きな私にしては、意外であると思う方も居ると思います。
私が加藤和彦さんの曲に惹かれるのは、そのセンスの良さですね。
まさに、本物を見極める感覚を備えていると思います。
曲にそれが滲み出ているのが分かるからです。
特にサディスティック・ミカ・バンドは、'70年代半ばの日本人アーティストがレコーディングしたものとは思えないほど優れていると思います。
でも、リアルタイムの当時の日本人には先端的過ぎて誰も理解出来なかったそうです。
あの有名な『黒船』をプロデュースしたレコーディング・プロデューサーはクリス・トーマスです。
クリス・トーマスは、当時ロンドンで最先端のグラム・ロックバンドであった、ロキシー・ミュージックをプロデュースしていました。
おそらく、当時の日本人でロキシー・ミュージックを聴いていた人は、かなり珍しかったと思いますので、それを考えると、『黒船』は超レアな音源だと思います。
クリス・トーマスは後にセックス・ピストルズの曲の数々をレコーディングして有名になる方なので、そんな方とお仕事をしていた加藤和彦さんは凄い人だったんだなぁと思います。
『黒船』は、もはや音の文化財だと思います。