27日は、アトリエ彩園子の日でした。私は、絵を描く事に疲れたので、画材の準備もしないで、雑談しに来たようなものです。私がアトリエで画集を眺めていましたら、大宮政郎先生は、古いiMacで作った、手製のポスターを持って来ました。そのポスターは、4月2日〜20日に多摩美大美術館で開催される、『書ンタなドローイング・1960・大宮政郎の世界』のポスターです。それが凄く迫力があり、思わず写真を撮ってしまいました。これは1960年に、大宮先生が30歳の時に、黒のポスターカラーと墨と鉛筆で制作した、アクションペインティング作品です。それが、実に1960年前後のアートシーンを象徴する作風なのです。大宮先生によると、この頃は、次から次へと新しい芸術的潮流が発生するため、常に新しい表現を求めて日夜努力していたという事です。それに比べて現代は、全ての表現が登場し尽くしたという潜在感覚が作家の心の中にあり、一人一人がバラバラな作風の作品を発表する現代とは明らかに違います。大宮先生は、この一連の作品群を描いていた記憶もおぼろげで、作品の存在も忘れていたそうです。しかし、最近物置の隅でこの作品群を発見して、今回の展覧会を開催する事に至ったそうです。
