★絵描きの日記

加茂谷正俊のブログです。 絵画を中心に美術やっています。 公募展出展、グループ展や個展などもします。 2010年、2014年、2018年、2022年、富山国際現代美術展に参加。

多摩美大美術館

書ンタなドローイングの真実

17日は、アトリエ彩園子の日でした。そこで、大宮政郎先生に、13日に多摩美大美術館で観た、書ンタなドローイングの真実を聞きました。私は大宮政郎先生が、1960年に制作した『書ンタなドローイング』の作品群が、イヴ・クラインの影響を受けていると思ったからです。しかし、聞いてみると、イヴ・クラインの動向については、1960年当時の日本では、ほとんど掴みきれて なかったとの事です。むしろ、1962年にイヴ・クラインが他界して以降、回顧展で、全容を知る事になったとの事です。だから、影響を受けたというより、同じ時代に生きて、同じ空気を吸っているうちに、似たようなバイブレーションを感じる作品を制作していた事になります。それは、非常に興味深い事象です。なぜ、そんな事が起こるか未だ謎です。大衆の深層心理のなせる技ではないでしょうか?14a35c01.jpg

多摩美大美術館に行ってきました

私の絵の師匠、大宮政郎先生が、多摩美大美術館で『書ンタなドローイング』という作品展があるので、以前から、『ボクは絶対に行きますよ』と宣言した手前、多摩美大美術館に行ってきました。新宿から、京王線準特急で調布まで行って、調布から京王相模原線の急行に乗り換えて一路、多摩センター駅に向かいます。電車は、どんどん山の中に入り、いかにも新興住宅地のような風景になっていきます。多摩センター駅中央口から、道路に出て真っ直ぐ向こうに、パルテノン多摩という大きな建築物がそびえ立っています。いかにも、パルテノン神殿からデザインをパクった感じの公共施設です。その間に三越デパートや京王プラザホテルなどの商業施設が並んでいます。やたら、若い夫婦と子供がたくさん居たので、多摩市では少子化は進んでないのかと思ったら、三越デパートと京王プラザホテルの反対側に、遊園地へと向かう道路を発見しました。その遊園の看板を見ると、サンリオピューロランドである事が分かりました。子供や、若い夫婦が多い事に納得しました。決して多摩市だけが、少子化から逃れられていた訳ではなかったのです。そして、そのサンリオピューロランドの入り口の隣に、多摩美大美術館があったのです。多摩美大美術館は、3階建てで、2階に展示室が2つ、3階に展示室が2つあり、計4つの展示室から構成され、美術館としては、やや小じんまりとした佇まいです。2階の展示室には、ベン・シャーンの版画とドローイングが展示されています。特にベン・シャーンのドローイングは、生命力に満ち溢れ、素晴らしい限りです。大宮政郎先生の『書ンタなドローイング』は、3階の展示室に展示されていました。『書ンタなドローイング』は、B1サイズの分厚い和紙に、黒い絵の具で描かれた抽象的なドローイング作品を額装せず、そのまま紙をダイレクトに展示していました。その作品群は、大宮先生自らが影響を自認する、イヴ・クライン(1928〜1962)の影響を色濃く感じました。イヴ・クラインは、1960年前後に、アクションペインティングの寵児として登場しました。青い抽象画を数多く制作し、遂にはバンドの演奏をバックに、アクションペインティングのライブペインティングを催し、青い絵の具で、人拓をとるというショッキングなパフォーマンスも見せています。→続く。9c463d80.jpg写真は、サンリオピューロランドの入り口です。
867b8a45.jpgこれが、多摩美大美術館です。
58163fa7.jpgこれが、書ンタなドローイングの1枚です。
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書ンタなドローイング

27日は、アトリエ彩園子の日でした。私は、絵を描く事に疲れたので、画材の準備もしないで、雑談しに来たようなものです。私がアトリエで画集を眺めていましたら、大宮政郎先生は、古いiMacで作った、手製のポスターを持って来ました。そのポスターは、4月2日〜20日に多摩美大美術館で開催される、『書ンタなドローイング・1960・大宮政郎の世界』のポスターです。それが凄く迫力があり、思わず写真を撮ってしまいました。これは1960年に、大宮先生が30歳の時に、黒のポスターカラーと墨と鉛筆で制作した、アクションペインティング作品です。それが、実に1960年前後のアートシーンを象徴する作風なのです。大宮先生によると、この頃は、次から次へと新しい芸術的潮流が発生するため、常に新しい表現を求めて日夜努力していたという事です。それに比べて現代は、全ての表現が登場し尽くしたという潜在感覚が作家の心の中にあり、一人一人がバラバラな作風の作品を発表する現代とは明らかに違います。大宮先生は、この一連の作品群を描いていた記憶もおぼろげで、作品の存在も忘れていたそうです。しかし、最近物置の隅でこの作品群を発見して、今回の展覧会を開催する事に至ったそうです。6d0c1326.jpg
気まぐれギャラリー
『シャキーンとした猫』
2019年

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