某民放テレビのニュース枠で、安売り店の特集をしていました。私は、それを欺瞞だと思いました。新聞と違ってテレビの報道は、『庶民の味方』、『庶民の敵』というフレーズが多いような気がします。それは、テレビのニュースは、新聞購読も出来なく、インターネット環境もないような情報弱者の唯一の情報源だからです。しかし、民放キー局の報道局の給料は、高給取りで、庶民ではないのです。また、特集された安売り店など、どう見ても、人件費の削減の結果のように思います。そんな報道がまかり通ると、従業員の賃金がますます下がり、原油や食料品の値段が上がり続ける、スタグフレーションを加速させるだけです。報道に携わっている人間なら分かると思いますが…。また、連日ニュースでは『円高』報道ばかりで対ユーロ相場は決して報道しようとしません。目先の原油高と物価の高騰の報道ばかりです。原油高と物価の高騰は、ドルへの信用がなくなってきている事が原因であると、何故はっきりと報道しないのでしょうか?せいぜいコメンテーターや解説員が説明するだけで、軽く流されてしまいます。
 勿論、あまりセンセーショナルにドルの信用がなくなったと報道されると、みなドルを手放して、経済的なパニック状態を誘発するさせてしまいます。なぜなら日本の企業は、円高による貿易黒字を、円に交換せずに、多額のドルを、アメリカの銀行に保有しているからです。つまり貿易黒字の儲けを日本の従業員の給与には回さず、ドルのままプールされているのです。また、日本の企業はドルをプールするだけではなく、大量のアメリカ国債を買っているのです。しかし、ドルの信用が落ちれば、日本の企業が保有するドルやアメリカ国債は、紙屑同然になる危険性をはらんでいるのです。
民放キー局も、テレビ朝日(朝日新聞)やフジテレビ(フジサンケイグループ:産経新聞)と新聞社の名前の一部を冠したりします。日本テレビは読売新聞のグループ企業で、巨人戦の中継を盛んに放送しています。これら3局は各新聞社の報道に引きずられる傾向があるようです。TBSは、どこの新聞社のグループに属さす独自の報道体制が組まれています。
 ニュースと言えばNHKですね。その存在と技術力は高くて、災害の時は、いち早く現場に急行し、鮮明な画像を中継します。CMがないので、民放より情報のタイムラグが少ないようです。
 何か冒頭で散々文句を言った割には詳しいと思った人も多いでしょう。それは、私がテレビのハードウォッチャーだからです。特に報道番組は好きで、同じニュースを各民放やNHKなど、どう料理して伝えるか、比較して楽しんでいます。テレビ局の報道の方々、お互いに切磋琢磨して下さいね。