現在、日本郵政の西川社長が辞任するなど、小泉構造改革の揺り戻しが起こっています。
もはや郵政選挙は、過去の遺物となってしまった感があります。
だから、そろそろ小泉構造改革や郵政選挙の歴史的検証が必要となってきていると思います。
国民的人気があった小泉純一郎元総理大臣。
しかし、国民的人気とうらはらに、その政策は決して国民的が望んでいたものではありませんでした。
現在でも、小泉純一郎元総理大臣の在任当時の答弁がテレビで放送されると、そのカリスマ性に感心させられます。
日本では、こういったタイプの政治家は珍しいと思います。
では、そのカリスマ性はどこから由来するのでしょうか?
まず、声や話し方が非常に明瞭で分かりやすい点です。
他の総理大臣は、発声がしっかりしてませんが、小泉純一郎さんは舞台俳優のような強い発声をしていると思います。
そしてもうひとつは、何でも簡潔明瞭に短く断言することです。
失われた10年を経験した日本人達は、将来に対する不安感を抱いていましたが、小泉純一郎さんみたいに断言、断定されると、『この方について行けば、大丈夫かもしれない』と感じられたのでしょう。
そして、3つ目はその時代性です。
小泉純一郎さんが在任当時は、近年でもまれなアメリカ一辺倒の時代です。
グローバル化、イコール、アメリカ化とされた時代です。
リーマン・ショックとBRICSの台頭で、現在では時代が変わってしまいましたが…。
やはり小泉さんには、当時のブッシュ前大統領の影がちらつきます。
思えば、'00年代前半は、“強いアメリカ”が強調された、どこかマッチョな時代だったと思います。
社会不安と、強いアメリカに傾倒した、何でも言い切る政治家…、これが小泉構造改革の時代だったのだと思います。