★絵描きの日記

加茂谷正俊のブログです。 絵画を中心に美術やっています。 公募展出展、グループ展や個展などもします。 2010年、2014年、2018年、2022年、富山国際現代美術展に参加。

Bunkamura

『みんなのミュシャ』を観に行った感想

みんなのミュシャ

渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムの企画展、『みんなのミュシャ』を観に行きました。
この展示は、ミュシャの作品を最初の7割ほど展示し、残りの3割は、ミュシャに触発されたグラフィック・デザインや日本のマンガで構成されているという趣向です。

過去に何度かミュシャの展示を観ている私。
今回は、ちょっと趣向が違うようです。

来場者を増やすだめに、様々な趣向が凝らしているように感じました。
まずは、コアな美術マニアだけですと、来場者は限られますので、マンガの展示をすることです。

そして、近年の展示には必須のSNS対策が取られていまして、作品の可能なエリアを設けています。
最近はInstagramで、美術館へ行ったことを投稿する方が、多いですからね。

これらの趣向を凝らした展示のためか、館内は物凄い人で、ごった返していました。
まさに渋谷のスクランブルで、展示を観ているか如くです。

音声案内が災いしたのか、音声レシーバーを付けた大量の集団が、入り口付近の解説で立ち止まっていました。
また、入り口から少し入った部分の作品の展示で、音声レシーバーがあるなしに拘らず、大量の人が止まっていまして、作品は、はるか遠くにあるという状況でした。

私は、いつも展示を最低でも2周する習慣がありますので、さっさと観て回りました。
不思議なことに、展示が奥に進むと人が少なくなる印象でした。

今回はあまりに人が多かったので、展示を3周致しました。
3周目で気付いたことは、1周目の入り口展示作品で見かけた方が、ほぼ数メートルしか進んでいないことでした。
最初の作品なので、代表作にたどり着くまでにも相当時間がかかりそうです。
何しろ、私が展示を3周するのに、約1時間かかったからです。

熱心に観たい気持ちは分りますが、このペースでは、展示を全て観るのに丸1日は、かかりそうです。
美術館のスタッフも必死で、『戻って2周観ることが出来ます!』と叫んでいました。
ごもっともです。
私も、3周していますので…。

SNSの時代になり、美術館が以前では考えられない程に混み合う体験を繰り返しまして、私は決心しました。
アートスコープを購入することを!
すぐに、Amazonで注文致しました。
これで、展示作品を遠くからでも観れそうです。

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愛すべきピロスマニ

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渋谷のBunkamuraで開催中の『青春のロシア・アヴァンギャルド』で、取り上げられたアーティストで、印象に残ったのはピロスマニです。
私も放浪の画家になりかけていますが、ピロスマニは、正真正銘の放浪の画家です。

グルジアで、住居を持たずに放浪し、看板やや壁面、油絵の注文を受けて、描ける所が住みかとなりました。
『青春のロシア・アヴァンギャルド』展で、私が気に入ったのは、この写真の、『雌鹿』です。
これは、ほとんどバンビですね。この絵を観て分かる通り、動物の表現が秀逸であったことが分かります。
また、その絵は独学のためか、デッサンに狂いがあるようですが、そこにまた味わいがあります。
要は描く人の気合い、気迫の問題のような気がします。日本の美術教育が、デッサン力を付けることに主眼が置かれているのに、ピロスマニのような芸術家を排出出来ないのは、何か構造的欠陥があるのではないかと思ってしまいます。

その人生は、映画『ピロスマニ』で描かれたり、加藤登紀子さんが歌った『百万本のバラ』の歌のモデルになるなど、多くの人から愛されています。

青春のロシア・アヴァンギャルド

 渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催中の『青春のロシア・アヴァンギャルド』に行って来ました。この展覧会は、個人的に楽しみにしていた展覧会です。あまり知られていませんが、ロシアは革命前後の時代(1910年頃〜1934年)は前衛芸術の最先端を走っていました。1934年にスターリンによって粛正が実行されるまで約20年間、そんな時代が続きました。この時代のロシア・アヴァンギャルドが再評価されたのは、近年ロシアがBRICsとして経済発展を成し遂げてからです。それ以前は、一部の愛好家や美術評論家ぐらいしか認知されておらず、唯一シャガールだけがアメリカに亡命した事と、長生きしたおかげで知られているぐらいでした。マレーヴィチに至っては、ソビエト連邦の時代は封印され非公開にされていました。今回の展覧会は、モスクワ市近代美術館所属の、そんな時代の、最先端の作品を一同に集めて展示されています。     この展覧会で圧巻だったのは、マレーヴィチの作品群です。マレーヴィチだけでなく、ロシアの作家は、独特の感性を持っていて、どこか宇宙的、近未来来的で数十年後のソ連の宇宙開発を連想してしまいます。写真の展覧会のポスターになった作品も、マレーヴィチの『農婦、スーパーナチュラリズム』という作品です。農婦という労働者を題材にしている所が、ロシア人らしさを感じます。この作品の他にも、マレーヴィチは彼独自のシュプレマティスムという、十文字や無地のような無駄を省いた究極の抽象画が展示されてます。この、マレーヴィチのシュプレマティスム絵画の何とエネルギッシュなことでしょうか!
 『青春のロシア・アヴァンギャルド』は、8月17日まで、渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催中です。cb1196e3.jpg

ルノワール+ルノワール展

渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで『ルノワール+ルノワール展』を観て来ました。元来、日本人はルノワール好きで、おおよそアートに縁がなさそうなお宅でも、ルノワールの絵を印刷したカレンダーが壁にかかっているお宅を見かけます。もはや、ルノワール信奉というべき現象ですね。だから、ルノワールの展覧会はこれまで、日本各地で何回も企画展が催されていました。だから、日本ではルノワールの展覧会は食傷気味です。でも、この展覧会は、今までのルノワールの展覧会と違います。お馴染みのルノワールの絵画と、映画監督となったその次男ジャックの映画をプロジェクターで映し出すという手法を取っています。コンテンポラリー・アートの展示では、プロジェクターを使って展示する事が定番となっていますが、その手法を使って、ルノワールを展示するとは良いアイデアです。映画の方は、父親の絵と列べてプロジェクターで映し出され、映画の一場面がまるでルノワール絵画のように見えます。それを見ると、美的センスは遺伝するんだなぁと思いました。また私は次男、ジャックが映画監督である事を知っていたので、いつか観ようと思っていたので、その念願が叶いました。→続く178686b8.jpg
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気まぐれギャラリー
『シャキーンとした猫』
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