★絵描きの日記

加茂谷正俊のブログです。 絵画を中心に美術やっています。 公募展出展、グループ展や個展などもします。 2010年、2014年、2018年、2022年、富山国際現代美術展に参加。

TLSP

アレックスとマイルズの物語

The Age of Understatement

アレックス・ターナーは2007年当時、新進気鋭のロック・バンド、アークティック・モンキーズのボーカリストでした。
その勢いは、凄まじく知名度は世界的に及びました。
アレックスの歌声はUSオルタナから影響を受けたパンチがある歌声で、歌とラップを掛け合わせたようなボーカル・スタイルでした。

一方、マイルズ・ケインは自身がリード・ギターを務めたリトル・フレイムズが、ファースト・アルバムをリリース前に分裂し、アルバムもお蔵入りとなります。
残ったメンバーで3ピースバンドのラスカルズを結成し、自らメイン・ボーカルを務めるようになったばかりでした。
マイルズの歌声は、キンクスのレイ・デイヴィスとジョン・レノンを合わせような典型的なUKロックなスタイルで、悲壮感と疾走感を合わせ持った曲を歌っていました。

この同い年21歳の2人の若者は、キャリアでは差が付いてしまいましたが、リトル・フレイムズがアークティック・モンキーズのオープニング・アクトを務めたことと、音楽の趣味が合うことで意気投合しました。
2人はルックスが似ていたことと、繊細な感性を持った青年であったことも共通点であったのです。

まずは、アークティック・モンキーズが2007年4月にリリースされたセカンド・アルバムで、マイルズが1曲だけ客演でギターを弾くことによって、2人の関係性が明らかになりました。
そして、2007年の8月から2人で構成されるユニットのアルバムの制作に入りました。

アレックスとマイルズが目指した音楽は、スコット・ウォーカー風のバロック・ポップでした。
そのレコーディングには、まず、ドラマー兼プロデューサーとしてジェームス・フォードを迎えました。

バロック・ポップとは、ロックにクラシック音楽の要素を融合した音楽です。
そのため、オーウェン・パレットをアレンジャー及びコンダクターとして迎え、ロンドン・メトロポリタン・オーケストラとレコーディングを進めました。
ユニット名は、The Last Shadow Puppets と命名されました。

2人は、お互いに持ち合う才能を補い合っている存在でした。
パンチがある歌声とカリスマ性、そして抜群の知名度を持っているはアレックスです。
情緒ある歌声と、個性的なギター・プレイが魅力があるのはマイルズです。

恐らく、成功するのか、どうか分からない状況ではあったと思いますが、
"The Age of the Understatement" とタイトルが付いたアルバムは、2人が目指していたスコット・ウォーカー風のバロック・ポップと、'00年代のインディ・ロックが融合した形で完成し、2008年4月21日にリリースされました。

The Last Shadow Puppets

結果的に、チャート・アクションとしては、UK1位を記録し、評論家筋からも絶賛され続けました。
ソングライティングとしては、ダークな曲調のアレックス色と、悲壮感漂うマイルズ色が適度にバランスが取れた佳曲が多く収録されました。
そして、何よりもアレックスとマイルズのハモりが、素晴らしい程に美しく、ロンドン・メトロポリタン・オーケストラが荘厳にアルバムを盛り上げました。

その後のプロモーションやライブ活動で、似たようなヘアスタイルとファッションの、繊細な2人の青年の姿は、まるでビートルズのジョン・レノンとポール・マッカートニーが、21世紀に再び舞い降りたように印象付けられました。

リリースされて9年、"The Age of the Understatement" は名盤と言われています。
The Last Shadow Puppetsとしての活動が終了した後は、アレックスは自身のバンド、
アークティック・モンキーズの音楽の幅を深め、よりメイン・ストリームな存在になり、誰もが知る大物ロック・バンドとして活動して行きました。
マイルズは、ソロ・アーティストとして成功しました。

2016年には、30代の大人の男性として、アレックスとマイルズ人は精悍な姿となり、
The Last Shadow Puppetsとしての活動を再開させました。
もはや、以前と違う大物2人のユニットとなってしまったThe Last Shadow Puppetsは、貫禄たっぷりの歌声を披露して行きます。
そう、もはやアレックスとマイルズは、繊細な2人の青年ではなくなったのです。

The Age of Understatement
Last Shadow Puppets
Domino
2008-04-15



The Age of The Understatement
The Last Shadow Puppets
Domino / Hostess
2008-04-22


マイルズ・ケインのコレクターと化しています

Miles Kane

何でもハマると、すぐにコレクションしたくなる私です。
上に並べたのは、マイルズ・ケインが関わった、ラスカルズやラスト・シャドウ・パペッツとソロ・ワークのCDです。

上は、あくまでCDだけで、他にヴァイナルやダウンロードもあります。
今年で活動10年目を迎えたマイルズですが、CDだけで、これほどの数があります。
Amazonで購入可能な物は、全て買い揃えました。
他に、ebayをチェックしていますが、ebayではまだ入手していないCDもあるようです。
しかし、ebayを見ても、殆ど入手している物のようであるので、残りはシングル2枚程度のようです。

なので、今度はヴァイナルを全て揃えるのが目標です。
他に、MVも全てダウンロードするつもりです。

マイルズ・ケインの魅力は、レイ・ディヴィス風のボーカルに個性な音色のギターです。
ソングライティングも、モッズなセンスを持っていて、ポール・ウェラーやアンディ・パートリッジなどの大物ロック・ミュージシャンと共作しています。

そして、盟友アレックス・ターナーとも共作をしていますが、アレックスとの活動で有名なのが、ラスト・シャドウ・パペッツです。
ラスト・シャドウ・パペッツでは、スコット・ウォーカー風のバロック・ロックを披露しています。

そして、そのオシャレなファッションセンスもマイルズの魅力となっています。
顔立ちも、若き日のポール・マッカートニーを彷彿とさせているルックスです。

全ての音源やMVをコレクションし終える日も、近いのでしょうか?

The Last Shadow Puppets

The Last Shadow Puppets

今日で3日目となる新譜の話です。
ブログの内容が、まるで音楽雑誌と化しています。
この、お姉さんが、ストッキングを摘んでいる悩ましげなジャケットのCDは、ザ・ラスト・シャドウ・パペッツ(The Last Shadow Puppets)の『ジ・エイジ・オブ・ジ・アンダーステイトメント(The Age Of The Understatement)と言います。

何かグループ名もアルバムのタイトルも覚えにくいのですが、このザ・ラスト・シャドウ・パペッツは、アークティック・モンキーズの中心メンバー、アレックス・ターナー と、ラスカルズのマイルズ・ケインのコラボレーション作品です。
分かりやすく言うと、イギリスで、今一番売れている若手バンドのメンバーによるサイドプロジェクトです。
ジャケットの、悩ましげなお姉さんが、歌っているのではないので、悪しからず。

このCDを聴いて思ったのは、ジャケットのデザインを含め、60年代後半っぽい雰囲気がある事です。オーケストラをオーバーダビングして、甘ーい感じに仕上がっています。
スウィートな感じのCDと申しましょうか?
パニック・アット・ザ・ディスコと言い、最近は60年代後半な感じのサウンドが流行りなのでしょうか?
そういえば、最近の髪型も、60年代っぽい重ためのヘアスタイルが流行りです。
何事も物事はシンクロするものです。

このアルバムは、時々アークティック・モンキーズ風のメロディーが登場しますが、オーケストラの甘い響きが、そのイメージを払拭します。
やっぱりアレックスもイギリス人だったんだなぁと納得します。

でも、このアルバムが出たお陰で、アークティック・モンキーズのバンドとしてのコンセプトが、はっきりしますし、アレックスの才能の凄まじさを感じます。
このアルバムは、ソファーに座って、ミルクティーを飲みながら聴くのが正しい姿だと思います。
実は、私はアークティック・モンキーズの2枚のアルバムより、このアルバム の方が好きなんですよ。

The Age of The Understatement
The Last Shadow Puppets
Domino / Hostess
2008-04-22

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